橇歌
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そりうた

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意味・由来

「橇歌(そりうた)」とは、冬の積雪期に、人や荷物を運ぶ「橇(そり)」を走らせながら、馭者(ぎょしゃ)や乗客が歌う歌のことです。かつて車や鉄道が十分に普及していなかった時代、北国や雪国では橇が冬の重要な交通手段でした。厳しい寒さと静寂に包まれた白い世界の中、馬の鈴の音(馬鈴)とともに響き渡る橇歌は、旅人の心を慰め、郷愁を誘う冬の代表的な風物詩です。

この季語で詠むコツ

橇歌を詠む際は、「聴覚」と「視覚」の鮮やかな対比を意識することがポイントです。白一色の果てしない雪野原や、鬱蒼とした冬の林といった「静」の広がりに、響き渡る歌声という「動」を重ねることで、冬の北国特有の孤独感やロマンチックな情調を際立たせることができます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 視覚的な言葉:雪原、星、夜、灯(ともしび)、林、わだち
  • 聴覚的な言葉:馬の鈴(馬鈴)、鞭の音、風の音、こだま
  • 状況を表す言葉:旅路、遅れがち、消えゆく、はるか

橇歌」の俳句例 (3件)

橇歌やわが乗る橇の遅れがち
水原秋桜子【現代語訳】どこからか楽しげな橇歌が聞こえてくる。いくつかの橇が連なって雪道をゆく中、私が乗っている橇はどういうわけか遅れがちになってしまう。【鑑賞】連れ立って走る橇の旅の情景を描いた句です。先行する橇から聞こえる歌声と、静かに遅れていく自らの橇の孤独感が、雪景色のなかで詩情豊かに表現されています。
橇歌や星降る夜のシベリヤ野
山口青邨【現代語訳】満天の星が今にも降ってきそうな極寒の夜、果てしなく広がるシベリアの大平原に、どこか哀愁を帯びた橇歌が響き渡っている。【鑑賞】シベリアという壮大な異国の冬景色を詠んだ名句です。零下数十度にもなる凛とした空気感と、星の輝き、そして広野に消えていく歌声の対比が非常にドラマチックです。
橇歌やともしび遠き雪の原
大野林火【現代語訳】橇歌が響く中、はるか遠くにぽつりと村の灯火が見える、広大な雪原の夕暮れ(あるいは夜)である。【鑑賞】一面の銀世界の中で、遠くに見える家々の温かな灯りと、寒風の中を駆ける橇から聞こえる歌声。冬の旅路の厳しさと、人の営みへの思慕が美しく対比されています。

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