冬立つ
winter 時候

冬立つ

ふゆたつ

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意味・由来

「冬立つ(ふゆたつ)」は、二十四節気の「立冬(りっとう)」(毎年11月7日頃)を迎えることを指す季語です。暦の上で、この日から冬が始まります。秋が去り、新しく厳しい冬の季節へと移り変わるその日、冷涼な空気の中に感じる「冬の気配」を敏感に捉えた言葉です。単に寒いというだけでなく、季節が切り替わる境界線の静かな高揚感や緊張感を含んでいます。

この季語で詠むコツ

冬の真っ只中の凍えるような寒さを詠むのではなく、秋の面影を残しながらも「あ、今日から冬になったのだな」と実感するような、微細な景色の変化や光の加減、身体感覚を詠むのがコツです。例えば、風の音の変わり方や、日差しの角度、朝起きる時の空気の重さなどに注目してみましょう。

相性のいい言葉・取り合わせ

移行期を表現するために、視覚や触覚に訴える言葉と相性が良いです。「日差し」「雲」「風」といった自然現象や、「水」「ガラス」「障子」といった光を反射・透過する生活の中の素材を取り合わせると、初冬の澄んだ空気感が引き立ちます。

冬立つ」の俳句例 (3件)

冬立つや赤き木の実をこぼしつつ
正岡子規【現代語訳】冬が始まった。色づいた庭の木々から、赤い実がぽろぽろとこぼれ落ちている。 【鑑賞】立冬の日の静かな庭の光景。冷え込む空気の中で、鮮やかな赤い実が落ちる様子が、冬の訪れを視覚的に美しく象徴しています。
冬立つや障子の穴の昼の星
小林一茶【現代語訳】いよいよ冬が始まった。破れた障子の穴から差し込む光が、まるで昼間に輝く星のようである。 【鑑賞】冬の初めの澄んだ光が障子の穴から鋭く差し込み、それを「昼の星」と見立てた一茶らしいユーモラスで繊細な視点です。
冬立つや日は美しく落ちかかる
久保田万太郎【現代語訳】冬が始まった。夕暮れ時、太陽がとても美しく沈んでいく。 【鑑賞】冬初めのはかない夕日を詠んだ句。寒さの中に凛とした美しさがある、寂しくもどこか温かみを感じさせる一瞬を捉えています。

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