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意味・由来\n「炉(ろ)」とは、冬の季語で、囲炉裏(いろり)のことや茶室に切られた炉のことを指します。日本の伝統的な家屋において、床を四角く切り抜いて灰を敷き、薪や炭を燃やして暖を取り、煮炊きを行うための設備です。冬の寒さが厳しくなる中、炉の周りに家族や人々が集まり、暖を取りながら語り合う様子は、日本の冬の風物詩であり、温かさや団欒(だんらん)、あるいは静寂な侘びの情趣を象徴する言葉です。\n### この季語で詠むコツ\n炉を詠む際は、単に「暖かい」という物理的な感覚だけでなく、炉の火を囲む人々の表情や、炭が爆ぜる音、立ち上る煙など、五感を意識して描写すると効果的です。また、現代においては少しノスタルジックな風景となるため、古き良き山里の生活や、茶の湯の張り詰めた空気感など、どのような背景で炉が使われているかを明確にすると、句に奥行きが出ます。\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n- 暖かさや光を表す言葉(炭火、赤し、爆ぜる、煙)\n- 音や気配(客、語る、静けさ、夜話)\n- 冬の自然(雪、風、夜嵐、山里)

」の俳句例 (3件)

炉を開けていよいよ狭き庵かな
高浜虚子【現代語訳】炉(茶室の炉)を開いたことで、ただでさえ狭いこの庵が、いっそう狭く感じられることだ。【鑑賞】茶道において冬の訪れとともに「炉開き」が行われます。庵の狭さを嘆いているのではなく、むしろその狭さの中に凝縮された冬の静寂と、炉の温かみを愛おしむような、侘びの精神が漂う名句です。
宿かせと刀投げ出す炉端かな
与謝蕪村【現代語訳】「一晩泊めてくれ」と、旅の武士が刀を投げ出すように置いて、炉の端に腰を下ろしたことだ。【鑑賞】旅先での一瞬の出来事を、まるで映画のワンシーンのように切り取った写実的な句です。外の寒さと、炉端の温もりのコントラスト、そして武士の荒々しくも安堵した仕草が、炉の存在感を引き立てています。
炉の火影畳のすみに残りけり
正岡子規【現代語訳】炉の火の光(火影)が、揺れながら畳の隅のほうにまで届き、静かに残っていることだ。【鑑賞】暗い室内において、炉から漏れるかすかな光が畳の端を照らしている様子を描いています。冬の夜の静けさと、火がもたらすほのかな温もり、そして部屋の陰影が美しく表現された、絵画的な一句です。

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