石鼎忌
winter 行事

石鼎忌

せきていき

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意味・由来

「石鼎忌(せきていき)」は、大正から昭和にかけて活躍した高名な俳人、原石鼎(はらせきてい)の忌日であり、12月20日を指す冬の季語です。石鼎は高浜虚子に師事し、大正期を代表する俊英として知られました。彼の句風は、単なる写生にとどまらず、主観を鮮烈に投影した色彩豊かで情熱的なものであり、主宰誌『鹿火屋』を通じて独自のロマンチシズムを追求しました。

この季語で詠むコツ

石鼎忌を詠む際は、原石鼎が愛し、多くの名作を生み出した「大和(奈良)」や「吉野」といった土地の気配、あるいは彼の作風に漂う「内に秘めた情熱(熱や火)」を表現に取り入れるのがコツです。冬の厳しい寒さの中で、ふと見せる自然の美しさや、生活の中の温もりを対比させることで、石鼎の鮮やかで真摯な俳句精神を偲ぶことができます。

相性のいい言葉・取り合わせ

・吉野、大和、杉、雪、山河 ・火、大根、お茶、あたたかさ、赤、白 ・心、思ひ、静か、ふつふつ

石鼎忌」の俳句例 (3件)

石鼎忌こころの吉野雪ならむ
細見綾子【現代語訳】石鼎忌を迎えた今日、私の心の中にある吉野の山には、しんしんと美しい雪が降っていることだろう。【鑑賞】原石鼎といえば、その代表作の舞台である奈良の吉野が深く結びついています。細見綾子は石鼎を偲び、自らの心象風景としての「吉野」に思いを馳せ、そこに静かに降る雪を思い描いています。石鼎の情熱的かつ峻烈な作風への敬意が、冬の厳しさと美しさに重ねられています。
石鼎忌おもひがけなきあたたかさ
桂信子【現代語訳】石鼎忌である今日、冬のさなかとは思えないほど、思いがけない暖かさに恵まれている。【鑑賞】12月20日の寒さ厳しい時期に訪れた、ふとした小春日和のような暖かさを詠んだ句です。石鼎の激しくも人間味あふれる温かな人柄や、遺された作品が放つ熱量を、その日の「あたたかさ」に重ね合わせて深く偲んでいます。
石鼎忌ふつふつと煮る大根かな
大野林火【現代語訳】石鼎忌の今日、鍋の中で大根がふつふつと音を立てて煮えていることよ。【鑑賞】日常の素朴な光景を通して石鼎を偲ぶ句です。「ふつふつ」という擬音は、ただ大根が煮える音であると同時に、石鼎が俳句に対して抱き続けた静かな情熱や、言葉が沸き立つような生命力を連想させます。飾らない生活感の中に深い哀悼が込められています。

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