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「壺の口切(つぼのくちきり)」、または単に「口切」とは、茶道において、初夏に摘んで茶壺に納めておいた新茶の封(口)を、十一月(立冬のころ)に初めて切り、客に供する茶事を指す冬の季語です。茶の湯の世界では、この口切が行われる時期を「お茶の正月」とも呼び、炉を開く「炉開き」とともに、最も格式高く華やかで、かつおめでたい節目の行事とされています。ひと夏を越して豊かに熟成した新茶の香りが、冬の訪れとともに茶室に広がります。
茶室という限られた静寂の空間における、五感の動きを丁寧にすくい取ることが大切です。壺の封紙を切り開く瞬間の張り詰めた緊張感、おろしたての新茶が放つ芳醇な香り、茶釜の煮えるかすかな音、障子を通した冬の柔らかな光など、微細な変化を捉えることで、この季語が持つ上品で厳かな情緒を表現することができます。
茶席にちなんだ「炉(ろ)」「釜(かま)」「炭(すみ)」、あるいは茶室を取り囲む「庭(露地)」「落葉」「小春日和」などの言葉とよく調和します。また、「青畳」や「紙(封紙)」といった、新しく清々しい色彩を感じさせる言葉を合わせるのも効果的です。
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