狂い花
winter 植物

狂い花

くるいばな

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意味・由来\n「狂い花(くるいばな)」とは、春や秋など、本来の開花時期とは異なる冬の時期に、季節外れに咲いてしまった花のことを指します。主に桜、桃、躑躅(つつじ)、梨などの木に見られます。同義語として「返り花(かえりばな)」や「返り咲き(かえりざき)」などがあります。晩秋から冬にかけての穏やかで温かい小春日和に誘われ、植物が季節を勘違いして咲かせてしまうこの現象は、人々に驚きを与えると同時に、やがて来る厳しい寒さに晒される命のはかなさを感じさせます。\n\n### この季語で詠むコツ\n狂い花を詠む際には、単に「季節外れの花が咲いている」という珍しさを報告するだけではなく、周囲の「冬枯れた景色」や「冷たい空気」との対比(コントラスト)を意識することが重要です。周囲が生命力を失っていく冬の荒涼とした背景の中に、ぽつんと咲く一輪の色彩を描き出すことで、その花の健気さや孤独感、そして哀愁がよりいっそう際立ちます。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n・光や温もりを表す言葉(日差し、小春、日和、日あたり)\n・はかなさや静けさを表す言葉(一輪、ひっそり、影、風、こぼるる)\n・冬の寒冷な背景を表す言葉(冬枯れ、寒風、枯れ枝、霜、空)

狂い花」の俳句例 (3件)

日あたりや狂ひ咲くとも知らぬ花
高浜虚子【現代語訳】ぽかぽかと温かい日の当たる場所で、自分が季節外れの狂い咲きをしていることなど露知らず、無心に咲いている花があるよ。\n【鑑賞】小春日和の柔らかな光の中で、ただ自然のままに咲いている花を見つめています。人間が「狂い咲き」と名付けて哀れむのをよそに、無邪気に美しく咲く花の生命力と、それを見つめる虚子の温かな眼差しが光る名句です。
狂ひ花その一枝を折りて去る
原石鼎【現代語訳】季節外れにぽつんと咲いている狂い花。その一枝をそっと折り取って、私はその場を立ち去った。\n【鑑賞】冬枯れの中で不意に見つけた狂い花の美しさに強く心惹かれ、思わず手折って持ち去る作者の衝動が描かれています。静まり返った冬の空気感と、一枝を手にした作者の静かな興奮が余韻として残る、叙情豊かな句です。
狂ひ咲く桜や僧の世をいとふ
大島蓼太【現代語訳】季節外れの冬に狂い咲いている桜よ。その姿は、まるで俗世を嫌って静かに生きる出家僧のようである。\n【鑑賞】寒々しい冬の景色の中にひっそりと咲く桜を、賑やかな春の世(俗世)を避けて仏門に入った僧侶の姿に見立てています。狂い咲く花の寂しげでありながらも凛とした孤高の佇まいを、見事に表現しています。

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