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黒穂(くろほ)とは、麦をはじめとするイネ科の植物に菌が寄生し、穂全体が炭のような黒い粉状の胞子に変わってしまう現象、またはその黒くなった穂そのものを指す夏の季語です。農業においては作物を損なう厄介な病害ですが、俳諧の世界では、初夏の光に満ちた麦畑の中にひっそりと混じる異様な黒さに着目し、独特の美や哀愁を見出して季語として詠まれてきました。
青々と茂る麦や、実りに向かう初夏の輝かしい風景との対比を意識することが最大のコツです。周囲の生命力や眩しい日差しを際立たせることで、黒穂が持つ乾いた寂しさや暗さがより鮮明に浮かび上がります。単なる病気の描写にとどまらず、風に揺れる様子や畑の片隅に佇む姿に焦点を当て、自然の持つ光と影をすくい取るように詠むと、句に深い陰影と奥行きが生まれます。
・麦の波、麦畑(初夏の豊かな麦の情景) ・南風、薫風(初夏を吹き抜ける風) ・畦道、野道(のどかな田園風景の描写) ・日差し、眩し(黒穂の黒さを引き立てる光)
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