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牛扁(ぎゅうへん)は、山地の林内や谷沿いの湿った木陰などに自生するキンポウゲ科の多年草です。夏になると、淡い黄白色や薄い紫色の小花を茎の先に多数咲かせます。花の形は烏帽子や兜のような独特の姿をしており、トリカブトの仲間ですが、毒々しさを感じさせないやさしい色合いが特徴です。漢名の「牛扁」をそのまま音読みしたものが季語として使われており、古くから薬草としても知られていますが有毒植物でもあります。静かな深山の気配を運んでくれる味わい深い夏の季語です。
牛扁は日差しを浴びて華やかに咲き誇る花ではなく、鬱蒼とした山林の薄暗がりや沢のほとりにひっそりと佇む姿に魅力があります。そのため、森の静けさ、木漏れ日、土の匂い、湿った岩肌といった周囲の陰翳ある自然環境とともに描くのがコツです。「牛扁」という少し重厚で硬い漢字の響きと、淡く可憐に下を向いて咲く花の姿との対比を意識すると、奥行きのある句になります。
・深山(みやま)、木陰(こかげ)、沢音(さわおと) ・木漏れ日(こもれび)、岩肌(いわはだ)、苔(こけ) ・しずけさ、淡し、薄明(はくめい)、山風(やまかぜ)
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