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意味・由来

「小鳥」は単に小さな鳥を指す言葉ですが、俳句の季語としては「秋」に分類されます。秋になると、北方から渡り鳥がやって来たり、山奥から人里や平野へと餌を求めて鶫(つぐみ)、鶸(ひわ)、四十雀(しじゅうから)などのさまざまな小鳥が集まってきたりします。澄んだ秋空のもと、木の実や草の実をついばみ、枝から枝へと軽快に飛び交う愛らしい姿や、その澄んだ鳴き声は、深まりゆく秋の情趣を豊かに感じさせてくれます。

この季語で詠むコツ

「小鳥」は動きが素早く、姿形も可愛らしい存在です。そのため、鳥そのものを細かく描写するよりも、鳥がもたらす「動き」「音」「周囲の静けさ」に焦点を当てると詩情が生まれやすくなります。例えば、枝が揺れた瞬間や木の実が落ちる音、飛び去ったあとに残る静寂などを捉えるのが効果的です。また、「小鳥来る(ことりくる)」という秋の訪れを喜ぶ季語もあるため、季節の移ろいに対する作者自身の心の弾みを重ねて詠むのもおすすめです。

相性のいい言葉・取り合わせ

・植物・自然物:梢(こずえ)、木の実、庭木、雑木林、朝露、薄日(うすび) ・動作・状態:とまる、零す(こぼす)、飛び交ふ、かそけし、木洩れ日 ・時間・空間:朝晴れ、昼下がり、山寺、窓辺、庭先

小鳥」の俳句例 (3件)

小鳥来て何かこぼしぬ枝の露
与謝蕪村【現代語訳】小鳥が枝に飛んできてとまった拍子に、枝についていた朝露がぱらぱらとこぼれ落ちた。 【鑑賞】小鳥の身軽で素早い動きと、朝の澄んだ空気感が見事に表現された名句です。鳥の姿そのものではなく、揺れた枝から滴り落ちる「露」に視点を置くことで、秋の早朝のみずみずしい静寂と、小鳥の一瞬の愛らしい気配を鮮やかに浮かび上がらせています。
小鳥啼て静かなりけり秋の山
正岡子規【現代語訳】小鳥が澄んだ声で鳴いたことで、かえって秋の山の静けさが深く感じられることだ。 【鑑賞】澄み渡る秋の山歩きの中で詠まれた一句です。小鳥の声が響いたことで、周囲の静けさがより一層際立つという「静中動あり、動中静あり」の境地を素直な言葉で写生しています。秋ならではの清澄で孤独な美しさが伝わってきます。
小鳥鳴く草木も露の乾ぬま哉
加賀千代女【現代語訳】草木の露がまだ乾かない清々しい朝早くから、小鳥たちが楽しそうに鳴いていることだなあ。 【鑑賞】秋の朝の爽快な情景を捉えた句です。草木に宿る朝露のみずみずしさと、朝一番に活発に鳴き交わす小鳥たちの生命力が調和し、心地よい一日の始まりを感じさせます。

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