花カンナ

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意味・由来 カンナ科の多年草で、熱帯アメリカ原産の花です。夏から晩秋にかけて、赤や黄色、橙色の鮮やかで大ぶりな花を次々と咲かせます。炎天下から咲き続けるため盛夏の印象も強い植物ですが、伝統的な俳句の歳時記では初秋から仲秋にかけての「秋」の季語に分類されています。熱帯原産らしい力強い生命力を持ちながら、次第に澄みゆく秋の空気や斜めに傾き始める秋の光の中で咲く姿には、独特の陰影と哀愁が漂います。 ### この季語で詠むコツ 燃えるような花の色と、幅広くみずみずしい緑の葉が織りなす大胆なコントラストを描くのが基本です。単に「情熱的」「鮮やか」と詠むだけでなく、秋風が吹き始める季節の推移を意識し、周囲が少しずつ枯れゆく中でなお孤高に咲き誇る姿や、夕暮れ時の陰影と取り合わせると深みが生まれます。花の背丈が高く堂々としているため、視線の高低差を活かすのも効果的です。 ### 相性のいい言葉・取り合わせ カンナの鮮烈さを際立たせる言葉と好相性です。光や天候を表す「夕映え」「茜空」「日輪」「秋晴」「秋風」、空間を想起させる「洋館」「線路際」「廃園」「白壁」、情態を示す「屹立」「燃え立つ」「翳る」などと合わせることで、色彩感と情感豊かな一句に仕上がります。

花カンナ」の俳句例 (3件)

カンナ咲くや日輪空に動かざる
芥川龍之介【現代語訳】カンナの花が咲き誇り、頭上の太陽は空の真ん中に止まって微動だにしないかのようだ。【鑑賞】天に君臨する動かない太陽と、地上で炎のように咲くカンナの赤が見事に対峙しています。静止した時間の中に圧倒的な熱量と緊張感を込めた、芥川らしい知性と強烈な視覚美が光る一句です。
夕焼けてカンナを離れがたきかな
細見綾子【現代語訳】美しい夕焼けにカンナの花が照り映え、見惚れてその場から立ち去りがたいことだ。【鑑賞】暮れゆく秋の夕日とカンナの鮮烈な色彩が一体となり、燃え立つような美しさを放つ情景です。去りがたい余韻の中に作者の素直でみずみずしい感動が宿っています。
赤きカンナ傾き青きカンナ立つ
高浜虚子【現代語訳】赤い花のカンナは斜めに傾いて咲き、花をまだつけない青い葉のカンナはすっくと立っている。【鑑賞】赤と青の色彩、傾きと直立という形の対比を、無駄のない言葉で客観的に写生した句です。ありのままの植物の生命感や姿の面白さが簡潔に切り取られています。

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