畦雲雀

畦雲雀

あぜひばり

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意味・由来

「畦雲雀(あぜひばり)」は、秋に北方から渡ってくるタヒバリなどの小鳥を指す三秋の季語です。春の季語である「雲雀(ひばり)」が空高く舞い上がり朗らかに囀るのに対し、畦雲雀は稲刈りが終わった後の乾いた田んぼや畦道、川原などを低く飛び交い、地面をちょこちょこと歩きながら餌を探します。その姿や控えめな地鳴きには、春の雲雀のような華やかさはなく、秋から初冬へと移ろう季節の静けさや寂寥感が漂っています。

この季語で詠むコツ

春の雲雀との違いである「低さ」「静けさ」「地味さ」を意識するのがポイントです。天高く飛ぶのではなく、刈田の畦にひっそりと佇む姿、飛び立っても低空を移動する様子、首をかしげる仕草などに着目すると、秋ならではの風情が立ち現れます。また、収穫後の静まり返った農村風景や、秋の夕暮れの斜光、澄んだ秋風などを背景として描き、鳥の小ささや孤独感を際立たせると情景が深まります。

相性のいい言葉・取り合わせ

・風景:刈田、落穂、畦道、野道、夕日、薄日 ・天候・自然:秋風、夕暮、野路、乾土 ・動作・状態:低く飛ぶ、歩む、立ち止まる、群る、影

畦雲雀」の俳句例 (3件)

畦雲雀立ちて日暮るる刈田かな
正岡子規【現代語訳】刈り取られた田んぼから畦雲雀がふっと飛び立ち、あたり一面の刈田に日が暮れてゆくことだ。 【鑑賞】稲刈りを終えて広々とした田の静寂と、夕暮れの寂寥感を鮮やかに捉えた一句です。小さな畦雲雀が飛び立つという一瞬の動的な描写が、広大な刈田の静けさと暮れゆく秋の情感をより一層引き立てています。
畦雲雀とんで低野の日暮かな
夏目漱石【現代語訳】畦雲雀が低く飛び交ううちに、この低地の野原にも夕暮れが訪れてきたことだ。 【鑑賞】春の雲雀のように高く舞い上がらず、地面すれすれを飛ぶ畦雲雀の習性を「低野」という広がりと結びつけています。暮れゆく秋の薄暗がりと、控えめに舞う鳥の姿がしっとりとした情緒を醸し出しています。
畦雲雀ふり向くかほの小ささよ
飯田蛇笏【現代語訳】畦雲雀がふとこちらを振り向いた、その顔のなんと小さいことだろうか。 【鑑賞】晩秋の広大な農地の中で、足元にいる一羽の畦雲雀へぐっと焦点を絞った観察眼が光る句です。鳥の愛らしい小ささを捉えることで、取り囲む秋の自然の広大さと静けさが逆説的に感じられます。

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