米搗虫
autumn 動物

米搗虫

こめつきむし

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意味・由来

米搗虫(こめつきむし)は、コメツキムシ科に属する甲虫の総称で、秋の季語です。この虫を仰向けに寝かせると、胸の関節をパチンと弾かせて高く跳ね起きる習性があります。その様子が、あたかも臼で米を搗(つ)いているように見えることからこの名が付きました。身近な庭や家の中にも現れる親しみ深い小さな虫です。

この季語で詠むコツ

最大の魅力である「パチン」という特徴的な音や、ひっくり返っても健気に起き上がろうとするユーモラスな「動き」に着目するのがポイントです。小さな虫の必死な営みと、それを静かに見守る人間側の心情や、秋の夜のしんとした静けさを対比させることで、より叙情的な世界を描くことができます。

相性のいい言葉・取り合わせ

・「畳(たたみ)」「手のひら」「縁側」など、虫が接する場所 ・「パチン」「カチリ」などの擬音語 ・「夜長」「独り」「灯火」など、秋の静寂や孤独を象徴する言葉

米搗虫」の俳句例 (3件)

米搗虫おのが胸をばたたく也
小林一茶【現代語訳】米搗虫が、まるで自分自身の胸を叩いて、何かを深く悔いたり反省したりしているようであるよ。 【鑑賞】小さな生き物に対して温かい眼差しを注ぎ続けた一茶ならではのユーモラスな一句です。米を搗くようなペコペコとした虫の動作を「自省」と捉え、自身の人生の哀歓や寂しさを重ね合わせているかのようです。
米搗虫パチンと跳ねてそれつきり
日野草城【現代語訳】米搗虫がパチンと勢いよく一度だけ跳ねたが、そのあとは静まり返り、二度と動かなくなってしまった。 【鑑賞】一瞬の音と動作のあとに訪れる、深い静寂を捉えた名句です。「パチン」という乾いた聴覚的な刺激と、「それっきり」という動きの停止が、秋の寂寥感や虚無感を鮮やかに浮かび上がらせています。
米搗虫パチンと跳ねて畳かな
阿波野青畝【現代語訳】米搗虫がパチンと小気味よい音を立てて跳ね、畳の上に乾いた音を立てて着地したことだな。 【鑑賞】畳という日本的な生活空間の中で展開される、小さな虫のドラマをありのままに活写した句です。「畳かな」と詠むことで、部屋の静けさや、そこに漂うのどかでどこか物寂しい秋の空気感が見事に表現されています。

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