雁渡し
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かりわたし

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意味・由来\n「雁渡し(かりわたし)」とは、秋に北の国から雁が渡ってくる頃に吹く、冷たくて乾いた北風のことです。単に鳥の雁が渡る様子を指すのではなく、その季節の到来を告げる「風」を表す季語であることが大きな特徴です。この風が吹き始めると、日本の空は一気に秋めき、澄み渡るようになります。\n### この季語で詠むコツ\n「雁渡し」を詠む際は、目に見えない風をいかに描写するかがポイントです。風に流れる雲の様子や、肌に感じる冷たさ、木々の葉が擦れ合う音など、五感を使って風を捉えてみましょう。実際に雁の姿が見えなくても、風の感覚を通して広大な秋の空を想像させるような表現を意識すると効果的です。\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n風の動きを描写する言葉(「流れる」「ちぎれる」「渡る」など)や、秋の空の広がりを示す言葉(「夕焼け」「雲」「青空」「海」など)と非常に相性が良いです。また、冷たい風に吹かれてふと感じる寂しさや、季節の移り変わりを感じる日常の風景と取り合わせるのもおすすめです。

雁渡し」の俳句例 (3件)

雁渡し空一ぱいの夕焼かな
内藤鳴雪【現代語訳】雁が渡ってくる頃に吹く冷たい秋風(雁渡し)が吹く中、見上げれば空一面が見事な夕焼けに染まっていることだ。\n【鑑賞】涼しげな秋風の冷たさと、空いっぱいに広がる夕焼けの温かみのある色彩の対比が非常に鮮やかで、雄大な秋の情景が目に浮かぶ名句です。
雁渡し海の色より暮れにけり
原石鼎【現代語訳】雁渡しの風が冷たく吹き抜ける中、辺りが夕暮れに包まれていくが、空よりも先にまず海の色から暗く暮れていくことだ。\n【鑑賞】風の冷たさと共に、海の青が徐々に深みを増して闇に溶けていく静寂な時間を捉えています。視覚的な色の変化を通して、寂寥感に満ちた秋の暮れ方を美しく描いています。
雁渡し雲はちぎれて流れけり
前田普羅【現代語訳】冷たい雁渡しの風が吹く空を仰ぐと、雲が激しくちぎれて、次から次へと流れていくことだ。\n【鑑賞】強い北風の勢いを、ちぎれ雲の動きという具体的な視覚情報で見事に写し取っています。目に見えない「風」の存在感を力強く表現した写生の一句です。

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