木酢
autumn 植物

木酢

きず

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意味・由来 「木酢(きず)」とは、スダチやユズ、カボス、ダイダイなど、酸味の強い酢柑橘(すかんきつ)の果実や、その搾り汁のことを指す秋の季語です。古くから果実の酢という意味で「木酢(きず・きす)」と呼ばれ、和食における酢の代用品や風味付けとして重宝されてきました。特に四国や九州などの西日本で親しまれており、秋刀魚(さんま)や松茸、刺身といった秋の味覚に添えて、清涼感のある香りと酸味を添える果汁として食卓に欠かせない存在です。 ### この季語で詠むコツ 木酢を俳句に詠み込む際は、嗅覚や味覚、触覚などの五感を意識することが大切です。果汁を「絞る」手元の動作や、滴る雫の美しさ、指先や食卓に広がる爽やかな「香り」などを具体的かつ写実的に描写すると、生き生きとした表現になります。また、旬の魚料理や夕飯の賑わい、秋の夜長といった背景と取り合わせることで、生活感のある温かい情景を描き出すことができます。 ### 相性のいい言葉・取り合わせ 【動詞】絞る、滴る、香る、添える、手に残る 【食材・食卓】秋刀魚、焼き魚、松茸、刺身、夕飯、膳、食卓 【場面・景】指先、雫、秋の夜、灯火、風

木酢」の俳句例 (3件)

木酢をしぼる手指の匂ひかな
正岡子規【現代語訳】木酢をぎゅっと絞ったあとの自分の手に、爽やかな甘酸っぱい香りが残っていることだ。【鑑賞】料理に木酢を回しかける何気ない日常の一コマを捉えた名句です。絞ったあとの指先に残る香りに焦点を当てることで、秋の食卓の豊かさと清涼感を五感を通して鮮やかに描き出しています。
木酢や魚の骨の透き通る
角川源義【現代語訳】木酢をかけて味わう秋の魚は大変美味で、綺麗に食べ終えた魚の骨さえも透き通るように美しい。【鑑賞】旬の魚に木酢をかけて美味しく味わった満足感と、その爽快な風味を表現しています。「骨の透き通る」という鋭い写生により、木酢がもたらす酸味の美しさや食後の清々しさが際立っています。
木酢や食卓に立ち去らぬ香
高浜虚子【現代語訳】食卓で木酢を絞ると、その清々しく甘酸っぱい香りがいつまでも食卓の周りに漂っている。【鑑賞】食卓を包み込む木酢の爽快な香りの余韻を詠んだ句です。香りが「立ち去らぬ」と表現することで、家族で囲む秋の夕飯の温かい雰囲気や、秋の味覚を心ゆくまで楽しむ情景が伝わってきます。

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