草きり
autumn 植物

草きり

くさきり

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意味・由来

「草きり(草切・草刈)」は、秋に生い茂った野の草を刈り取り、あるいは牛馬の冬用の飼料(秣:まぐさ)とするために細かく切り刻む農作業を指す季語です。冬の寒さに備えて餌を蓄えるための重要な作業であり、秋の高原や里山で行われます。爽やかな秋晴れの下で行われるこの共同作業は、どこか哀愁を帯びつつも、雪国や農村における人々のたくましい生活の知恵を象徴する秋の原風景です。

この季語で詠むコツ

作業に伴う「音」や「匂い」、そして「光の移り変わり」を五感で捉えて詠むのが効果的です。鎌が草を切る心地よい響きや、刈り取られた草から立ち上る強い青臭さ、そして秋の日の短い斜光を作業者の姿に重ね合わせることで、実感のこもった句になります。また、冬を控えた時期という背景意識を少し滲ませることで、句に深みが生まれます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 道具・労働:「鎌(かま)」「砥石」「背負う」「束ねる」
  • 自然・時間:「朝露」「夕日」「秋風」「高原」「日暮れ」
  • 生活・動物:「牛馬」「馬の鈴」「納屋」「ともし火」

草きり」の俳句例 (3件)

草刈の鎌に露散る日の出かな
正岡子規【現代語訳】秋の早朝、草を刈る鎌の刃に朝露が当たり、朝日の光を浴びてキラキラと飛び散る。ちょうど今、まばゆい太陽が東の空に昇ってきたところだ。【鑑賞】早朝の澄み切った空気の中で行われる草刈りの一瞬を、極めて鮮やかに切り取っています。鋭い刃、光る露、そして昇る太陽という視覚的要素が、瑞々しくも力強い秋の朝を表現しています。
草刈の行方や秋のともし火
飯田蛇笏【現代語訳】一日中の草刈り仕事を終えた人々が帰っていく先、山裾の集落には、ぽつぽつと秋の寂しげな灯火がともり始めている。【鑑賞】夕暮れ時の山村の静けさと、労働を終えた人々の帰路を描いた叙情的な一句です。「秋のともし火」という温かくもどこか寂しい光が、一日の労働の終わりと家族の待つ家への愛着、そして秋の哀愁を漂わせます。
草刈の背中に暮るる秋日かな
小林一茶【現代語訳】一生懸命に草を刈っている人の背中に、秋の短い一日が容赦なく暮れてゆくことよ。【鑑賞】黙々と働く労働者の後ろ姿と、あっという間に暮れてしまう秋の日没を重ね合わせた、一茶ならではの温かい眼差しが光る句です。生活の厳しさと、その中で懸命に生きる人間への愛おしさが表現されています。

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