鶏頭
autumn 生活

鶏頭

けいとう

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意味・由来

鶏頭(けいとう)はヒユ科の一年草で、晩夏から晩秋にかけて鮮やかな花を咲かせる植物です。その名の通り、ニワトリの雄のトサカ(鶏冠)に似た肉厚でうねりのある花穂をつけることから名付けられました。深紅や朱色、黄色などの鮮烈な色彩と、ビロードのような独特の手触り・質感が大きな特徴です。秋の庭先や畑の隅、道端などにすっくと立ち並ぶ姿は、どこかユーモラスでありながら、秋の深まりの中で目を引く強い生命力を放ちます。

この季語で詠むコツ

鶏頭は、秋の草花にありがちな「儚さ」や「寂しさ」とは対照的な、圧倒的な量感と造形の面白さを持っています。そのため、情緒に流されすぎず、その塊としての存在感や、燃え立つような色彩、まっすぐに立つ力強さをストレートに描写することがポイントです。また、病床からの観察のように「本数」や「並び」に着目したり、秋風や野分(台風)に煽られて重そうに揺れる・倒れる姿を対比させたりすると、鮮烈な情景を描き出すことができます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 質感・色彩を表す言葉(ビロード、深紅、厚き、朱、艶)
  • 立ち姿や数・配置(十本、林立、傾く、庭の隅、倒るる)
  • 秋の風物・天候(野分、秋晴、朝露、雁、夕日)

鶏頭」の俳句例 (4件)

鶏頭を三尺離れもの思ふ
秋元不死男万座
鶏頭の十四五本もありぬべし
正岡子規【現代語訳】庭の鶏頭が十四、五本も咲いていることだろう。 【鑑賞】子規が病床から動けない体で、わずかに見える庭の鶏頭の群生を推量して詠んだ絶筆三句の一つです。大まかな本数の把握でありながら、鶏頭の鮮烈な赤と力強い量感がくっきりと目に浮かび、死を前にした生の力強さと寂寥感が胸に迫る近代俳句屈指の名句です。
鶏頭や雁の来る時猶赤し
松尾芭蕉【現代語訳】鶏頭の花は、北から雁が渡ってくる晩秋のころになっても、なお一段と赤く咲き誇っていることだ。 【鑑賞】他の秋草が次第に枯れ色へと変わっていく季節、雁の渡来という初秋から晩秋への移ろいの中で、ひとり鮮やかに赤さを保ち続ける鶏頭の凛とした生命力を捉えています。秋の深まりと鮮烈な赤の対比が鮮やかです。
鶏頭の皆倒れたる野分かな
高浜虚子【現代語訳】重たげに咲いていた鶏頭が、激しい台風の風によって一斉に倒れてしまっていることだ。 【鑑賞】台風(野分)が過ぎ去ったあとの生々しい庭の光景を客観的に写生した一句です。頭が重くまっすぐに立っていた鶏頭がことごとく薙ぎ倒された様子から、吹き荒れた嵐の猛烈さと、倒れてなお鮮烈な赤を残す鶏頭の存在感が印象づけられます。

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