懸踊
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懸踊

かけおどり

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意味・由来\n懸踊(かけおどり)は、秋(初秋)の季語で、お盆の時期に寺社の境内や家々を巡って踊られる念仏踊りや風流(ふりゅう)の踊りの一種を指します。「懸ける」という言葉には、神仏や精霊に踊りを捧げる、あるいは家々を訪れて踊りを披露するという意味があり、競い合うように激しく踊る様子からこの名がついたとも言われています。夏の終わりから初秋にかけての、どこか物悲しくも熱狂的な伝統行事です。\n\n### この季語で詠むコツ\n懸踊を詠む際には、激しい踊りの「動」と、それを取り巻く秋の夜の「静」や「闇」の対比を意識することが大切です。太鼓の音や足拍子などの音の響き、松明に照らされた踊り手の影、そして踊りが去った後の静寂や夜風の冷たさなど、五感を刺激する具体的な描写を取り入れることで、秋の夜の独特な風情を表現できます。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n- 聴覚を刺激する言葉:太鼓(たいこ)、足拍子(あしびょうし)、笛の音(ふえのね)\n- 視覚や闇を表す言葉:松明(たいまつ)、かがり火、夜の闇(よるのやみ)、人影(ひとかげ)\n- 情緒を表す言葉:去る(さる)、消えゆく、静けさ、哀れ(あわれ)

懸踊」の俳句例 (3件)

懸踊一むら消えて闇深し
飯田蛇笏【現代語訳】懸踊の一団が通り過ぎて見えなくなると、そこにはいっそう深い夜の闇が残されるばかりである。【鑑賞】賑やかに踊り狂っていた集団が闇の彼方に去った後の、急な静寂と深淵な夜の闇の対比を鮮やかに描き出しています。
懸踊足拍子のみ残りけり
正岡子規【現代語訳】懸踊の踊り手たちの姿は夜の暗がりに消えてしまったが、地面を踏み鳴らす力強い足拍子の音だけが、耳の奥に心地よく残っている。【鑑賞】暗闇の中で視覚が制限されるからこそ、地を穿つような力強い足音が強調され、踊りの余韻が際立ちます。
懸踊太鼓に合はぬ足もあり
正岡子規【現代語訳】懸踊の激しい太鼓の拍子に、どうしても合わせられずに少しずれてしまっている足元が見える。【鑑賞】全員が揃って美しく踊る中で、一人か二人、不器用ながらも一生懸命に踊っている人間味あふれる滑稽さと愛らしさを、子規ならではの写生眼で捉えています。

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