高麗胡椒
autumn 生活

高麗胡椒

こうらいこしょう

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意味・由来

「高麗胡椒(こうらいこしょう)」とは、唐辛子(とうがらし)の別称・古名であり、秋の季語です。唐辛子は16世紀頃に日本へ伝来したとされ、南蛮胡椒や高麗胡椒などと呼ばれました。「高麗(朝鮮半島)」を経て伝わったとされることや、刺激的な辛味を「胡椒」に見立てたことに由来します。初秋から晩秋にかけて鮮やかな深紅色に実を結び、収穫後は軒先に吊るして乾燥させる風景が日本の秋の風物詩として親しまれてきました。

この季語で詠むコツ

高麗胡椒を詠む際の最大のポイントは、その「鮮烈な赤色」と「舌を刺すような辛味」、そして「生活に根ざした佇まい」です。単に辛いという事実だけでなく、秋晴れの澄んだ光の中に干された赤さのコントラストや、青い実が混ざる風情、山里の素朴な暮らしぶりなどを描き出すと情感が深まります。少し古風な「高麗胡椒」という言葉の響きを活かし、落ち着いた雅味や鄙びた風情を演出するのも効果的です。

相性のいい言葉・取り合わせ

・色彩・光:深紅、青き実、夕日、秋日和、澄む ・暮らし・風景:軒端(のきば)、筵(むしろ)、土壁、山家、里、吊るす、干す ・味覚・感覚:辛し、刺激、ひりひりと、乾く

高麗胡椒」の俳句例 (3件)

高麗胡椒赤うなりけり庭の隅
正岡子規【現代語訳】庭の片隅に植えられた高麗胡椒(唐辛子)が、いつの間にか鮮やかに赤くなっていることだよ。 【鑑賞】ふと庭の隅に目をやったときのささやかな季節の移ろいを写生した句です。目立たない場所でしっかりと色づいた唐辛子の深紅が、深まりゆく秋の気配をくっきりと印象づけています。
高麗胡椒赤きが中に青きあり
夏目漱石【現代語訳】真っ赤に熟した高麗胡椒の群れの中に、まだ熟しきっていない青い実が混ざっている。 【鑑賞】赤一色に見える唐辛子の束や枝の中に、ふと見つかる青い実の対比を鮮明に捉えています。視覚的なコントラストが美しく、秋の深まりとともに残る名残の青さに生命の息吹が感じられる一句です。
高麗胡椒一と房垂るる軒端かな
高浜虚子【現代語訳】農家の軒端に、高麗胡椒の束が一房、ちょこんと吊るし垂らされていることだ。 【鑑賞】秋の農村や民家の静かで素朴な佇まいを写し取った名句です。軒先に吊るされた赤く輝く高麗胡椒の一房から、収穫の喜びや冬支度へと向かう秋の暮らしの温もりがしみじみと伝わってきます。

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