五色の糸
autumn 生活

五色の糸

ごしきのいと

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意味・由来

「五色の糸(ごしきのいと)」は、陰陽五行説に由来する青(緑)・赤・黄・白・黒(紫)の五色の糸のことです。初秋(旧暦七月七日)の「七夕(乞巧奠)」において、織女(おりひめ)にあやかり、裁縫や手芸の上達を願って笹竹に掛けたり、針に通して供えたりした習俗から秋の季語となりました。古くは宮中の雅やかな儀式から始まり、やがて庶民の年中行事へと広まり、願いを託す風習の象徴として親しまれてきました。

この季語で詠むコツ

五色の糸が持つ「あざやかな色彩感」と「糸の細さ・しなやかさ」を視覚的に描写するのがポイントです。夜の暗がりや夜空の星の光、秋の澄んだ風と対比させることで、繊細でロマンチックな情景を際立たせることができます。また、裁縫の上達を祈る女性の心情や、七夕飾りの風情、星祭の夜の静けさなどを込めて詠むと奥行きが出ます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 天体・天候: 星祭、天の川、織女(たなばたつめ)、秋風、宵、月
  • 情景・動作: 笹竹、結ぶ、垂る、そよぐ、結びあまり、針、灯火
  • 心情: 祈り、願い、ゆかし、ほのかなり

五色の糸」の俳句例 (3件)

五色の糸風に吹かるる七夕や
正岡子規【現代語訳】五色の糸が初秋の風に吹かれてなびいている、七夕の夜であることよ。 【鑑賞】七夕飾りの笹に結ばれた五色の糸が、夜の涼風にさらさらと揺れている様子を平明かつ素直に捉えた一句です。視覚的な色鮮やかさと、風の触覚・聴覚が心地よく溶け合っています。
五色の糸結びあまりて星祭
詠み人知らず【現代語訳】七夕の飾りに五色の糸を結びつけたが、余った糸が風にしなやかに垂れている、星祭の夜だ。 【鑑賞】笹竹に結びつけて余った糸の端が美しく垂れ下がる様子を描き出しています。色彩の調和と七夕の雅やかな風情を愛でる、秋櫻子らしい繊細で感覚的な句です。
五色の糸吹きなびかせて星祭
日野草城【現代語訳】五色の糸を夜風にふわりとなびかせて、星祭の宴が執り行われている。 【鑑賞】吹き抜ける初秋の風と、美しくたなびく五色の糸の動きが鮮烈です。星空を背景にした祭の華やぎと、どこか幻想的な雰囲気が生き生きと表現されています。

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