菩提の花
summer 植物

菩提の花

ぼだいのはな

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意味・由来

「菩提の花(ぼだいのはな)」は、仲夏(6月頃)に咲くシナノキ科の落葉高木「ボダイジュ(菩提樹)」の花を指す季語です。お釈迦様がその下で悟りを開いたとされるインド菩提樹(クワ科)とは別種ですが、日本の寺院では古くからこの中国原産のボダイジュが植えられてきました。初夏になると、淡い黄緑色の小さな花を吊り下げるようにして咲かせ、周囲に甘く濃厚な香りを漂わせます。

この季語で詠むコツ

仏教的な背景を持つ木であるため、寺院の静寂や厳かな雰囲気と重ねて詠まれることが多い季語です。しかし、それだけに囚われず、花の持つ「淡い黄色」の色彩や、初夏の風に乗って漂う「甘い香り」、群がる「蜂の羽音」といった五感を刺激する写実的なアプローチも効果的です。視覚と嗅覚を意識して詠むと、より瑞々しい句になります。

相性のいい言葉・取り合わせ

寺の境内、石段、鐘の音、仏像、夕日、風の匂い、蜂、静寂、など。

菩提の花」の俳句例 (3件)

菩提樹の花に日の照る日暮かな
飯田蛇笏【現代語訳】菩提樹の花に、夕暮れの淡い日差しが静かに照り映えている、その一日の終わりの風景であるよ。【鑑賞】蛇笏が捉えたのは、一日の終わりを告げる夕暮れの光が、菩提樹の控えめな花を優しく照らす光景です。静寂に包まれた時間の中で、花の放つ微かな光と香りが、深い精神性と郷愁を呼び起こします。
菩提樹の花のちりしく歩廊かな
長谷川かな女【現代語訳】菩提樹の淡い花が、寺院などの回廊(歩廊)に一面に散り敷いていることよ。【鑑賞】「歩廊(ほろう)」とは、洋風建築や近代的な建物の回廊、渡り廊下などを指します。寺院の古びた景観だけでなく、少しモダンな空間に散る菩提樹の花の黄色い絨毯を捉えた、色彩感覚と静けさが際立つ美しい一句です。
菩提樹の花の匂へる聖書かな
日野草城【現代語訳】菩提樹の花の甘い香りが、手元にある聖書にまで漂い染み込んでいるようだ。【鑑賞】仏教に縁の深い「菩提樹」の花の香りと、キリスト教の「聖書」という、本来異なる宗教的モチーフをあえて組み合わせた大胆な一句です。濃厚で神聖な花の香りが、読書する手元の聖書を包み込み、洋の東西を超えた静謐で崇高な空間を作り出しています。

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