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「葭の花(よしのはな)」は、川辺や湖沼などの水辺に群生するイネ科の大型多年草「葦(よし・あし)」が秋につける花穂のことです。葦は古くから日本人に親しまれてきた植物で、「あし」が「悪し」に通じるのを嫌い、「よし(善し)」と言い換えられた歴史があります。秋が深まる頃、茎の先に紫褐色から淡い灰褐色の柔らかな花穂が開き、秋風に揺れる姿は、どこか寂しげで趣深い秋の水辺の情景を象徴しています。
葭の花は、広大な水辺に群れ咲く景観や、風の動き、光の加減とともに詠むのが基本です。きらびやかな美しさというよりも、わびしさや静けさ、秋の愁いを含んだ季語ですので、夕暮れの斜光や水面のきらめき、波の音といった視覚や聴覚の描写とよく調和します。また、遠景として水辺全体の広がりを捉えるか、近景として風にそよぐ一本の花穂の質感に焦点を当てるかによって、句の風情を多彩に描き分けることができます。
・水辺の情景(川風、入江、小舟、岸辺) ・光と影(夕日、夕茜、影、水影、薄日) ・秋の情感(秋風、夕暮れ、寂けさ、波音)