九月蚊帳
autumn 時候

九月蚊帳

くがつがや

俳句びと 公式スマートフォンSNS

あなたの句を、世界に届けよう

季語辞典で見つけた素敵な言葉を使って、今日の一句を詠んでみませんか?無料で投稿でき、他の愛好家と交流できます。

意味・由来

「九月蚊帳(くがつがや)」とは、陰暦九月(現在の10月頃・晩秋)になってもまだ片付けずに吊られている蚊帳のことです。 本来、蚊帳は夏の風物詩ですが、秋が深まってもなお残る「秋の蚊(名残の蚊)」を防ぐためや、朝夕の冷え込みをやわらげる防寒代わりに吊られることがありました。季節外れの物寂しさ、過ぎ去った夏への名残惜しさ、そして晩秋特有の冷え冷えとした夜の孤独感や哀愁を象徴する季語です。

この季語で詠むコツ

「九月蚊帳」を詠む際は、夏の蚊帳が持つ涼しさや開放感とは対照的な「寒々しさ」「衰退感」「侘しさ」に焦点を当てるのがコツです。 すでに朝晩の寒さが身に染みる時期に、緑や浅葱色の蚊帳の中に身を置く孤独感や、薄暗い部屋の陰影、蚊帳越しに見える夜の気配などを描写すると効果的です。単に「蚊がいる」という事実だけでなく、季節の移ろいに対する生活の実感や旅情をにじませると深い余韻が生まれます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 時候・気配の言葉:夜寒(よさむ)、秋冷(しゅうれい)、灯(ともしび)、月影
  • 感情・状態を表す言葉:旅寝(たびね)、老い、独り、寂し、名残
  • 感覚的な言葉:青白き、冷ややかに、頼りなき、風の音

九月蚊帳」の俳句例 (3件)

九月蚊帳中に人ゐて白髪かな
飯田蛇笏【現代語訳】晩秋の九月に吊られた蚊帳の薄布越しに人がいるのが見え、その髪が真っ白であるのが目を引くことだ。 【鑑賞】透けて見える蚊帳の中の人物と、その「白髪」という視覚的対比が鮮烈な一句です。季節外れの蚊帳が漂わせる侘しさと、人生の晩年を象徴する白髪が重なり合い、枯淡で静謐な美しさと無常観を格調高く描き出しています。
九月蚊帳釣つて淋しき夜なりけり
正岡子規【現代語訳】もう晩秋の九月だというのに蚊帳を吊って、なんとも心細く寂しい夜であることよ。 【鑑賞】病臥の生活を続けていた子規の率直な実感がこもった一句です。秋も深まった時期に蚊帳を吊る行為そのものが、夏の賑わいを過ぎたあとの孤独や寒々しさを際立たせています。淡々とした口語調の調べの中に、病床で迎える夜の寂寥感が静かに胸に迫ります。
九月蚊帳あはれともなき夜寒かな
吉分大魯【現代語訳】九月に吊る蚊帳は風情があるというほどのものでもなく、ただ身に染みる夜の寒さを感じるばかりである。 【鑑賞】江戸中期の俳人・大魯の句。「あはれともなき」と突き放すことで、詩的な感傷に浸る余裕すらない晩秋の冷え冷えとした現実感を浮き彫りにしています。蚊帳の緑の薄布が寒風を防ぐにはあまりにも頼りなく、夜寒の厳しさを一層引き立てています。

みんなの「九月蚊帳」の詠み(人気順)

この季語を使った人気の投稿はまだありません。

みんなの「九月蚊帳」の詠み(新着)

この季語を使った「みんなの詠み」はまだありません。

あなたが最初の1句を詠んでみませんか?

関連する「」の季語