8月の季語一覧

旧暦:葉月(はづき)季節:初秋(秋)二十四節気:立秋(8月7日頃)・処暑(8月23日頃)

暦の上で秋を迎え、朝夕の涼しさや初涼を捉える季語です。

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代表的な8月の季語と名句

正岡子規や高浜虚子などの名句(出典つき)とともに、8月を代表する季語を紹介します。

秋風

あきかぜ・しゅうふう

秋

秋風や伊豫へ流るゝ汐の音

― 正岡子規

意味・由来 「秋風(あきかぜ・しゅうふう)」は、立秋を過ぎてから吹く秋の風全般を指す季語です。夏の厳しい暑さを忘れさせる心地よい涼風から、深まる季節とともに肌寒く、どこか寂しさを漂わせる風まで、秋の風情を幅広く表現します。古代中国の五行思想において秋は「金」や「白」に配されることから、「金風(きんぷ

稲妻

いなずま

秋

稻妻に行きあたりたる闇夜哉

― 正岡子規

意味・由来 「稲妻(いなずま)」は、秋の夜空を一瞬にして鮮やかに照らし出す電光を指します。古くは、稲が実をつける初秋の時期に雷光が多いことから、雷の光が稲を結実させるという信仰がありました。そこから「稲の夫(つま)」という意味で「いなづま」と呼ばれるようになり、やがて実りをもたらす恵みの光としても捉

露けし

つゆけし

秋

ひよろ〳〵と尙露けしや女郞花

― 松尾芭蕉

意味・由来 「露けし(つゆけし)」は、秋の野山や庭先などに露が多く降りて、あたり一面がしっとりと湿り気を帯びている情景を表す季語です。古来、和歌の伝統において「露」は涙の比喩としても多用されてきたため、単に物理的に露で濡れている様子だけでなく、「涙がちである」「どことなく哀愁が漂っている」という人の

赤蜻蛉

あかとんぼ

秋動物

砂濱にとまるものなし赤蜻蛉

― 正岡子規

意味・由来 「赤蜻蛉(あかとんぼ)」は、秋の訪れを代表する三秋の季語です。主にアキアカネやナツアカネなど、秋になると鮮やかな赤色に色づくトンボの総称です。夏の間は涼しい高山で過ごし、秋風が吹く頃に平地へと群れをなして下りてきます。夕暮れの空を背景に無数に飛び交う姿や、日だまりの竿の先などに静かにとま

唐辛子

とうがらし

秋

頓入や納屋をあくれば唐辛子

― 正岡子規

意味・由来 唐辛子は中南米原産の一年草(熱帯では多年草)で、日本には16世紀半ばに南蛮船によってもたらされたと伝えられています。夏に白い小さな花を咲かせた後、秋になると果実が熟して緑から鮮烈な赤色へと変わります。俳句で単に「唐辛子」という場合は、秋に赤く実った果実を指します。収穫された唐辛子が軒下に

秋の雲

あきのくも

秋

頭上の岩をめぐるや秋の雲

― 正岡子規

意味・由来 「秋の雲」とは、文字通り秋の空に浮かぶさまざまな雲の総称です。夏の力強く湧き上がる積乱雲(入道雲)とは対照的に、秋になると空が高く澄み渡り、巻雲や巻積雲のような薄く刷毛で掃いたような雲、いわゆる「鰯雲(いわしぐも)」や「鱗雲(うろこぐも)」などが多く見られます。空の透明感とともに、どこか

秋空

あきぞら

秋

目にて書く大いなる文字秋の空

― 高浜虚子

意味・由来 「秋空(あきぞら)」は、文字通り秋の空を指す三秋の季語です。夏の湿り気を帯びた空とは異なり、大陸からの乾燥した高気圧に覆われることで、大気中の水蒸気や塵が少なくなり、どこまでも澄み渡った高い青空が広がります。「秋高し」「天高し」とも通じる広大さや清々しさがある一方で、どこか寂寥感や物悲し

野分

のわき

秋

やせ馬の尾花恐るゝ野分哉

― 正岡子規

意味・由来 「野分(のわき)」とは、二百十日や二百二十日の前後に吹く激しい暴風、すなわち秋の台風のことです。その名は「野の草を激しく吹き分ける風」という詩的な観察に由来し、平安時代には『源氏物語』の巻名にもなるなど、古くから親しまれてきた言葉です。現代の天気予報で使われる「台風」という無機質な気象用

灯籠

とうろう

秋

燈籠としらずに來たり灯取虫

― 正岡子規

意味・由来 「灯籠(とうろう)」は、古くから神仏への献灯や道案内、庭園の明かりとして親しまれてきた照明具です。俳句で単に「灯籠」と詠む場合は、主に初秋(旧暦7月)、お盆の時期に死者の精霊を迎えて供養するために飾られる「盆灯籠」や「切子灯籠(きりことうろう)」を指すことが多く、秋の季語に分類されます。

朝霧

あさぎり

秋

朝霧の富士を尊とく見する哉

― 正岡子規

意味・由来 「朝霧」は、秋の早朝に大地や水面から立ち込める霧のことを指します。放射冷却によって夜間に地表が冷やされ、空気中の水蒸気が凝結することで発生します。春の「朝霞(あさかすみ)」が穏やかでぼんやりとした柔らかさを持つのに対し、秋の「朝霧」は冷涼で湿り気を帯び、やがて陽光によって晴れていく一瞬の

今朝の秋

けさのあき

秋時候

張ぬきの猫も知るべし今朝の秋

― 松尾芭蕉

意味・由来 「今朝の秋(けさのあき)」とは、立秋(りっしゅう・現在の8月7日頃)の当日の朝を指す時候の季語です。暦の上で初めて秋を迎えた朝を意味し、まだ厳しい夏の猛暑が続いている時期でありながら、吹き抜ける風のひとすじや朝露、光の角度などに、ふと秋の気配(涼気や澄んだ空気)を感じ取る繊細な喜びや新鮮

落し水

おとしみず

秋

うき草やしかも山田の落し水

― 松尾芭蕉

意味・由来 「落し水(おとしみず)」とは、初秋から仲秋にかけて、稲刈りを控えた田んぼから水を抜くこと、またその抜かれて水路へと勢いよく流れ出る水を指す季語です。春の田植え以来、稲の成長を支えてきた田の水を落とす作業は、いよいよ収穫期が訪れたことを告げる農作業の大切な節目です。豊かな実りへの喜びととも

8月の季語一覧

全 234 語

その他

青蜜柑あおみかん茜草あかね赤のままあかのまま赤まんまあかまんま秋茜あきあかね秋暑しあきあつし秋袷あきあわせ秋麗あきうらら・しゅうれい秋陰あきかげ・しゅういん秋霞あきがすみ秋風あきかぜ・しゅうふう秋乾きあきがわき秋渇きあきがわき秋草あきくさ秋口あきぐち秋曇あきぐもり秋寂びあきさび秋湿りあきじめり秋涼しあきすずし秋空あきぞら秋立つあきたつ秋蝶あきちょう秋燕あきつばめ・しゅうえん秋出水あきでみず秋ともしあきともし秋の朝日あきのあさひ秋の雨あきのあめ秋の嵐あきのあらし秋の入日あきのいりひ秋の色あきのいろ秋の海あきのうみ秋の愁あきのうれい秋の蚊あきのか秋の蚊帳あきのかや秋の雲あきのくも秋の更衣あきのころもがえ秋の田あきのた秋の月あきのつき秋の波あきのなみ秋の初風あきのはつかぜ秋の浜あきのはま秋の晴あきのはれ秋の昼あきのひる秋の星あきのほし秋の蛍あきのほたる秋の水あきのみず秋の夕あきのゆう・あきのゆうべ秋の夕暮あきのゆうぐれ秋の夕日あきのゆうひ秋の雷あきのらい秋日和あきびより秋祭あきまつり秋めくあきめく秋山あきやま・しゅうざん揚灯籠あげとうろう・あげどうろう揚花火あげはなび朝顔あさがお朝霧あさぎり朝露あさつゆ蘆の花あしのはな天の川あまのかわ碇星いかりぼし生身魂いきみたま石たたきいしたたき竈馬いとど稲妻いなずま稲光いなびかり稲の波いねのなみ稲の花いねのはな芋の露いものつゆ色なき風いろなきかぜ鱗雲うろこぐも送火おくりび牡鹿おじかお相撲おすもう男郎花おとこえし威銃おどしづつ落し水おとしみず囮おとり鬼やんまおにやんま尾花おばな女郎花おみなえし・じょろうか案山子かがし・かかし金魚きんぎょ小男鹿さおしか狭霧さぎり小夜砧さよぎぬた残暑ざんしょ鹿しか仕掛花火しかけはなび鹿笛しかぶえ猪おどしししおどし秋果しゅうか秋海棠しゅうかいどう秋気澄むしゅうきすむ秋暁しゅうぎょう秋耕しゅうこう秋光しゅうこう秋宵しゅうしょう秋爽しゅうそう秋朝しゅうちょう秋夜しゅうや秋涼しゅうりょう秋霖しゅうりん白芙蓉しろふよう新秋しんしゅう新蕎麦しんそば・あらそば新涼しんりょう西瓜すいか鈴虫すずむし相撲すもう施餓鬼せがき施餓鬼棚せがきだな鶺鴒せきれい蕎麦の花そばのはな大文字だいもんじ高灯籠たかとうろう・たかどうろう太刀魚たちうお蓼の花たでのはな七夕たなばた魂送たまおくり魂棚たまだな魂祭たままつり魂迎たまむかえ手向けたむけ蔦の葉つたのは露草つゆくさ露けしつゆけし露の玉つゆのたま露の宿つゆのやど露葎つゆむぐら唐辛子とうがらし唐黍とうきび灯籠とうろう遠花火とおはなび砥草とくさ読書の秋どくしょのあき塒出の鷹とやでのたか蜻蛉とんぼ蜻蜒とんぼ・やんま長き夜ながきよ流れ星ながれぼし梨なし菜虫なむし鳴子なるこ鳴子縄なるこなわ鳴子引なるこひき濁り酒にごりざけ残る暑さのこるあつさ野分のわき萩の戸はぎのと萩の花はぎのはな萩原はぎわら白秋はくしゅう芭蕉ばしょう芭蕉葉ばしょうば鯊釣はぜつり八月尽はちがつじん初秋はつあき・しょしゅう初嵐はつあらし初茸はつたけ初月はつづき花薄はなすすき花野はなの花火はなび花木槿はなむくげ葡萄ぶどう文月ふみづき・ふづき芙蓉ふよう紅芙蓉べにふよう星祭ほしまつり蛍草ほたるぐさ盆過ぼんすぎ盆の月ぼんのつき水澄むみずすむ水の秋みずのあき迎火むかえび木槿むくげ木槿垣むくげがき虫時雨むししぐれ虫すだくむしすだく虫鳴くむしなく虫の声むしのこえ虫の音むしのね牝鹿めじか鵙啼くもずなく鵙日和もずびより桃もも夜学やがく夕露ゆうづゆ宵月よいづき宵闇よいやみ葭の花よしのはな葭原よしはら夜露よつゆ夜長よなが夜長人よながびと夜なべよなべ夜這星よばいぼし夜の鹿よるのしか蘭の香らんのか律の風りちのかぜ立秋りっしゅう早稲わせ早稲の香わせのか
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