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「七夕雨(たなばたあめ)」は、陰暦七月七日の七夕の夜に降る雨のことです。天の川を挟んで年に一度巡り会う牽牛(彦星)と織女(織姫)の伝説において、この日に雨が降ると天の川の水かさが増して渡れなくなると言われ、二人が流す悲しみの涙、あるいは逢瀬の別れを惜しむ涙に見立てて「催涙雨(さいるいう)」とも呼ばれます。本来は星空を見上げるはずの夜に降る雨だからこそ、晴天への願いが叶わなかった切なさや、雨音の向こうにある見えない星空へのロマンを漂わせる、情緒深く美しい季語です。
「七夕雨」を詠む際は、ただ「星が見えなくて残念だ」という心情を直接詠むのではなく、雨がもたらす風情や濡れた物の質感に着目するのがポイントです。軒先の笹飾りや色鮮やかな短冊が雨を吸って重たく垂れる様子、雨に濡れる夜の町並みや川の流れなどを描写することで、七夕の切ない情緒が自然と立ち上がってきます。また、見えないからこそ天上の星々の物語に思いを馳せる、想像力の広がりを大切にすると深みが出ます。
・笹飾り、短冊、五色の糸、墨、竹の葉などの七夕の風物 ・灯(ともしび)、夜水、軒端、しづく、音などのしっとりとした情緒を醸し出す言葉 ・恨み、涙、情け、逢瀬などの古典的な星祭の伝説をほのめかす心情表現
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