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「空閑梨(こがなし)」とは、現在の福岡県(筑後国)の空閑(こが)地方で多く栽培されていた小粒の梨のことです。果実は小さく、皮が厚くて果肉が非常に硬いのが特徴で、独特の酸味や渋味を持ちます。収穫してすぐは固くて渋いものの、貯蔵して熟させることで特有の素朴な甘みや風味が出ます。古くから日持ちのする果実として重宝され、秋の深まりとともに味わう素朴な実りとして俳諧で詠まれてきました。
水分たっぷりでみずみずしい現代の一般的な梨(二十世紀梨や幸水など)とは異なり、空閑梨は「小粒」「硬さ」「渋み・酸味」「素朴な野趣」が魅力です。都会的な洗練された情景よりも、静かな山里や古びた器、素朴な旅路の風情などとよく調和します。実際に噛んだときの固い歯ごたえや、口に広がる独特の酸渋さを感覚的に描写すると、季語の持ち味がぐっと引き立ちます。
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