秋炉

秋炉

しゅうろ

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意味・由来\n「秋炉(しゅうろ)」とは、秋の日に据えられたり火が入れられたりした囲炉裏や火鉢のことです。本格的な冬の寒さに備えて火を熾す「冬の炉」とは異なり、朝夕の肌寒さ(冷やか・うそ寒)を覚えて早々と火を入れた風情や、まだ名残惜しいぬくもりを求める晩秋の情緒を漂わせます。厳しい寒さを防ぐ実用性よりも、ふと忍び寄る季節の深まりや、火の温もりに対するしみじみとした感慨・侘しさを表す季語です。\n\n### この季語で詠むコツ\n「冬の炉」のような厳しい寒さや家族団らんの温かさとは一味違う、「秋ならではの寂寥感や静けさ」を描くのがポイントです。火の勢いがまだ控えめである様子、炉端に落ちる影の儚さ、山や庭から伝わる秋の夜の冷気など、かすかな肌寒さや視覚的な陰影に焦点を当てると風情が出ます。また、人恋しさやもの思いにふける心情と重ね合わせるのも効果的です。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n・光や影を表す言葉(火影、灰、残る火、薄明かり、影)\n・静けさや冷気を表す言葉(夜寒、山気、障子、更くる、冷やか)\n・動作や心情を表す言葉(かきならす、思ひ、独り、茶を煮る)

秋炉」の俳句例 (3件)

秋炉燃ゆ山気障子の外に満ち
詠み人知らず【現代語訳】秋の炉火が静かに燃えている。障子のすぐ外には、山独特の冷え冷えとした気配が満ち満ちている。\n【鑑賞】室内の秋炉の暖かさと、障子一枚を隔てた戸外の峻烈な山の冷気との対比が鮮やかな一句です。秋が深まりゆく山の厳しさと、炉火の優しいぬくもりが互いを引き立て合っています。
灯を消せば秋炉の火影畳を這ふ
日野草城【現代語訳】部屋の明かりを消すと、秋の炉のほのかな火の影が畳の上を這うように揺らめいている。\n【鑑賞】明かりを落とした瞬間の静寂と、暗がりの中に浮かび上がる柔らかな火影の動きを繊細に捉えています。秋の夜の静けさと孤独感、そして微かな温もりが詩情豊かに描かれています。
淋しさに秋炉の灰をならしけり
寺田寅彦【現代語訳】ふと込み上げる寂しさに耐えかねて、秋の炉の灰を火箸で平らにならしていることだ。\n【鑑賞】肌寒さを感じる秋の夜、手持ち無沙汰と人恋しさから無心に灰をいじる動作に、深い哀愁が滲み出ています。日常のさりげない仕草を通して、秋炉の持つ侘しさを巧みに表現した名句です。

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