玉兎
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意味・由来

中国の伝説で、月に不老不死の薬を搗く兎(玉兎)が住んでいるとされることに由来します。日本では、この姿が餅を搗く姿に見立てられ、お月見のシンボルとして古くから親しまれてきました。俳句においては、単に「月」と詠むよりも、おとぎ話のようなファンタジー性や、白く美しい色彩、愛らしさ、そして神秘的な雰囲気を醸し出したいときに好んで用いられます。

この季語で詠むコツ

「玉兎」という言葉自体が強い光や伝説的な世界観を持っています。そのため、単に「月が綺麗だ」と説明するのではなく、その光が照らす地上の静寂や、兎の白い毛並みを連想させるような「白さ」「丸さ」などの質感に着目すると効果的です。また、現代の何気ない日常と、古典的な宇宙観を対比させることで、新鮮な詩情が生まれます。

相性のいい言葉・取り合わせ

・光や影を表す言葉(黄金、白、漆黒、照らす、宿る) ・静けさや動きを表す言葉(澄む、跳ねる、砕ける、波) ・伝統的な事物(窓、すすき、杯、水面)

玉兎」の俳句例 (3件)

玉兎耳を立てたる光かな
川端茅舎【現代語訳】月に住むという伝説のウサギ(玉兎)が、ピンと耳を立てているかのように、鋭く澄み切って美しく輝く月の光であることよ。 【鑑賞】秋の夜空に冴え渡る月光を、月に住むウサギの「耳」という具体的な形に喩えた、ユニークで美しい一句です。静まり返った夜の鋭い光と、ウサギの愛らしさ、そして伝説の持つ神秘性が一体となっています。
玉兎波にくだけて躍りけり
松瀬青々【現代語訳】水面に映った美しい月影(玉兎)が、波が立つたびに細かく砕け、まるでウサギが楽しげに跳ね回っているかのようである。 【鑑賞】水面に揺れる月光のきらめきを「玉兎」と捉え、波の動きによる光の明滅をウサギの躍動的な動きに見立てています。静かな夜の中に、視覚的な楽しさと生き生きとしたリズムを感じさせる名作です。
玉兎金波をくだる光かな
飯田蛇笏【現代語訳】月に住むというウサギが、黄金色に輝く波を滑り降りてくるかのように、まばゆいばかりの美しい月光が地上へと降り注いでいることだ。 【鑑賞】満月の放つダイナミックな光を「金波をくだる」と表現し、非常に格調高く、雄大に描き出しています。「金波」という華やかな色彩と「玉兎」の白く清らかなイメージの対比が、天上の美しさを際立たせています。

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