塩蜻蛉

塩蜻蛉

しおとんぼ

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意味・由来

塩蜻蛉(しおとんぼ)は「シオカラトンボ」の別称で、秋の季語です。雄の成虫は成熟すると、胴体にまるで白い塩を吹いたような粉をまとうことから「塩蜻蛉」「塩辛蜻蛉」と名付けられました。春から夏にも見られますが、成熟して青白い粉をしっかりと帯び、水辺や日当たりの良い地面を飛び交う姿が初秋の風情を感じさせることから、三秋(初秋・仲秋・晩秋)の季語として親しまれています。

この季語で詠むコツ

塩蜻蛉の最大の特徴は、粉をふいたような涼やかな青白色と、地表や石、砂地などに低く静止する習性です。赤蜻蛉のような空を群れ飛ぶ華やかさとは対照的に、水辺の岩や乾いた砂地、木の枝などにピタッと静止する瞬間の「静と動」や、乾いた質感、秋の澄んだ光の陰影に焦点を当てると実感がこもった一句になります。

相性のいい言葉・取り合わせ

・石、岩、砂利、砂(白粉を帯びた胴体と、無機質で乾いた地面との対比が際立ちます) ・日ざし、秋日、影(秋の澄んだ日差しと、翅や胴体に落ちる鋭い影の描写) ・乾く、とまる、ひかる(塩蜻蛉の持つ静止動作や質感を表す動詞)

塩蜻蛉」の俳句例 (3件)

塩蜻蛉砂を離れてまた砂へ
星野立子【現代語訳】塩蜻蛉が砂地からふわりと飛び立ったかと思うと、また少し先の砂の上へと舞い戻って止まった。 【鑑賞】塩蜻蛉の地表すれすれを飛び、乾いた地面に好んで止まる習性を素直に捉えた写生句です。「砂を離れてまた砂へ」という平明な言葉の繰り返しの中に、秋の日ののどかさと蜻蛉の軽やかな動きが生き生きと表現されています。
塩蜻蛉とまりて石の乾きけり
岸田稚魚【現代語訳】塩蜻蛉がひらりと止まり、その石がからからに乾いていることに気づかされた。 【鑑賞】塩蜻蛉が止まったことで、水辺の石が秋の光と風によってすっかり乾いている様子に意識が向けられています。塩蜻蛉の粉を吹いた白さと石の乾いた質感が見事に響き合い、初秋の空気の乾燥感を巧みに伝えています。
塩蜻蛉石にひかりを放ちけり
加藤楸邨【現代語訳】塩蜻蛉が乾いた石の上に止まり、その青白い体が秋の日差しを受けてきらりと光を放った。 【鑑賞】硬く無機質な石の上に止まる塩蜻蛉の姿を、鋭い観察眼で捉えた句です。白粉を吹いた胴体と透明な翅が秋の光を反射する瞬間を「ひかりを放ちけり」と表現し、生命の放つ一瞬の輝きを鮮烈に描き出しています。

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