? - ?

岸田稚魚

きしだちぎょ

作風・特徴

作風の解説はまだ登録されていません。

代表句 (4件)

黒豆を干すや颪の吹き通る
季語: 黒豆おろし (autumn)
【現代語訳】黒豆を天日に干していると、その干し場の隙間を縫うように、冷たく乾いた颪の風が勢いよく吹き抜けていく。\n【鑑賞】天日干しされている黒豆の静的な風景と、そこを通り抜けていく「颪」という動的な自然現象が鮮やかに対比されています。風が吹き抜けることで、黒豆がさらに乾燥していく実感が伝わります。
混群の梢をこぼれ落つるあり
季語: 雀類の混群 (autumn)
【現代語訳】木々の梢を移動していく鳥たちの混群の中から、一羽の小鳥がこぼれ落ちるように下へとはじけて飛び降りていった。【鑑賞】せわしなく梢を移動していく混群の動きをじっと見つめていると、一羽がふっと重力に引かれるように下の枝へ飛び移る。その瞬間を「こぼれ落つる」という繊細な言葉で捉え、寒さの中で活発に生きる鳥たちの生命感を表現しています。
塩蜻蛉とまりて石の乾きけり
季語: 塩蜻蛉 (autumn)
【現代語訳】塩蜻蛉がひらりと止まり、その石がからからに乾いていることに気づかされた。 【鑑賞】塩蜻蛉が止まったことで、水辺の石が秋の光と風によってすっかり乾いている様子に意識が向けられています。塩蜻蛉の粉を吹いた白さと石の乾いた質感が見事に響き合い、初秋の空気の乾燥感を巧みに伝えています。
舟灯籠流れて闇をひろげけり
季語: 舟灯籠 (autumn)
【現代語訳】舟灯籠が遠くへと流れていくにつれて、あたり一面の夜の闇がいっそう広がっていくように思われる。【鑑賞】ぽつんと小さくなっていく灯籠の明かりによって、かえって川面の深々とした闇が強調される視覚的対比が見事な一句です。送り火が去ったあとに残る寂寥感が見事に捉えられています。