黒いもむし
autumn 生活

黒いもむし

くろいもむし

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意味・由来

「黒いもむし」は、秋の季語である「芋虫」の一種であり、秋の畑や庭先で見かける黒色の幼虫(スズメガの幼虫やカブラハバチの幼虫など)を指します。緑色の芋虫が夏の旺盛な生命力を象徴するのに対し、秋の深まりとともに現れる黒いもむしは、大地や枯れ葉と同化し、どこか哀愁や冬の予感、自然の厳しさを漂わせます。生命の終焉や静寂を象徴する、秋ならではの奥深い季語です。

この季語で詠むコツ

「黒」という色彩が持つ独特の質感や陰影を丁寧に描写することが大切です。単に不気味なものとして捉えるのではなく、秋の澄んだ光(斜光)を浴びたときの濡れたような光沢や、ゆっくりと大地を這う姿、あるいはじっと動かない様子に着目しましょう。小さな体の中に宿る生命のドラマを切り取ることで、句に深い情趣が生まれます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 光・日差し: 秋日、斜光、夕日、ひかり
  • 大地・自然: 畑、土くれ、枯葉、畝、草の根
  • 状態・動き: 湿り、這う、丸まる、静か、動かず

黒いもむし」の俳句例 (3件)

黒き芋虫傷へばかがやく秋の日や
篠原鳳作【現代語訳】黒い芋虫がゆっくりと這っていくと、その背に秋のやわらかな日差しが当たり、きらきらと輝いていることよ。【鑑賞】黒という本来は光を吸収する色彩が、秋の澄んだ光を受けることで美しく輝き、小さな生命が神聖なものへと昇華される一瞬を優しく捉えています。
黒芋虫動かざる日のつづきけり
大野林火【現代語訳】黒い芋虫がじっと動かないまま、何日も同じ場所にとどまり続けていることだ。【鑑賞】冬を前にして動かなくなった芋虫の静寂を詠んでいます。変化のない日々のなかに、秋の終わりと冬の到来、そして生命の静かな営みを感じさせる、深い寂寥感の漂う作品です。
黒芋虫のぼりつめたる光りかな
永田耕衣【現代語訳】黒い芋虫が草木の頂上までのぼりつめ、その到達した場所で、光を浴びて輝いている。【鑑賞】這う虫としての卑小な存在である黒芋虫が、高みへのぼりつめた瞬間に放つ生命の崇高な輝きを描いています。作者独自の哲学的かつダイナミックな視点が光る名句です。

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