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「三秋(さんしゅう)」とは、陰暦の秋の三か月、すなわち初秋(七月・孟秋)、仲秋(八月・仲秋)、晩秋(九月・季秋)を合わせた秋の全期間(およそ九十日間)を指す季語です。また、これら三つの秋それぞれの情趣を含んだ言葉でもあります。古代中国の詩文に由来し、漢詩では「一日会わざれば三秋の如し(一日会わないと三秋もの長い時間に感じられる)」という慣用句でも知られています。俳句においては、秋の始まりから深まり、そして去りゆく季節の移ろいや、秋という季節全体の持つ寂寥感・風情を大きくとらえる際に用いられます。
「三秋」は特定の短い瞬間やピンポイントの事象ではなく、秋という広がりや時間の経過を包括する大きな言葉です。そのため、狭い身の回りのことだけを詠むよりも、時間的な長さ(旅の長さ、歳月の感慨、病臥の長さなど)や、空間的な広がり(山河、天候、空の青さなど)と響き合わせると効果的です。言葉自体に漢語らしい格調と静けさがあるため、落ち着いた調べを意識すると季語の持つ深みが引き立ちます。
・時間・旅情を表す言葉:「旅路」「夜長」「歳月」「夢」「日和」 ・天候・自然の広がりを表す言葉:「雲」「風」「雨」「空」「青野」 ・心境を表す言葉:「寂し」「静けし」「澄む」「遥か」
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