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「野分雲(のわきぐも)」とは、秋に日本列島を襲う台風や暴風である「野分(のわき)」の前後に現れる特徴的な雲のことです。古来、草木を激しく吹き分ける強い風を「野分」と呼びましたが、その大風に伴って空を覆う暗雲や、強風に千切られて猛スピードで飛び去っていく雲、あるいは嵐が去った後の茜空に浮かぶ雲などを指します。荒々しい自然の脅威を予感させ、季節の急激な移ろいを感じさせる陰影に富んだ晩秋の季語です。
「野分雲」は非常に動きと表情のある季語です。詠む際には、雲の「形」「動き」「色」に注目すると臨場感が生まれます。「千切れる」「垂れる」「飛ぶ」「走る」といった動詞と相性が良いですが、動詞で説明しすぎず、雲の背景にある空の明るさや、地上(海、山、家並みなど)の風景を具体的に描写することで、雲の異様さや風のすさまじさを際立たせることができます。嵐の接近による緊張感を描くのか、あるいは通過後の静けさや安堵感を描くのか、状況を絞って表現すると効果的です。
・動勢を表す語:ちぎれ飛ぶ、低し、走る、吹き払ふ ・色や光を表す語:夕茜(ゆうあかね)、鈍色(にびいろ)、夕日影、暮色 ・地上の情景:入江、連山、遠浅、家路、波頭
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