今年米
autumn 時候

今年米

ことしごめ・ことしまい

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意味・由来

「今年米(ことしごめ/ことしまい)」とは、その年の秋に収穫されたばかりの新しいお米のことです。「新米(しんまい)」と同じ意味を持ちますが、俳句において「今年米」と表現すると、一年間の丹精込めた農作業への感謝や、実りの秋を迎えたことへの深い感慨、時の推移を慈しむ情感がより色濃くにじみ出ます。神仏へのお供えとしての神聖さや、無事に収穫を得られた農村の素朴な喜び、炊きたての豊かな香りと艶を想起させる秋の代表的な生活季語です。

この季語で詠むコツ

「今年米」という言葉自体に、豊かな実りと生活の実感がしっかりと詰まっています。そのため、単に「美味しい」「白い」と描写するだけでなく、米を研ぐ冷たい水の感触、立ち上る湯気や炊きあがりの匂い、家族で食卓を囲む温もりなど、五感を働かせた日常のひとコマと取り合わせると効果的です。また、遠方の実家や親しい人から届いたという背景や、無事に一年を過ごせたという安堵感を込めることで、句に深い人生の陰影が生まれます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 生活・台所の動作:研ぐ(とぐ)、炊く(たく)、蒸気(ゆげ)、水引(みずひき)、握り飯
  • 感情・情景:安堵(あんど)、故郷、便り、感謝、艶(つや)、白さ、大の字
  • 道具・器:羽釜(はがま)、茶碗、俵、紙袋、土鍋

今年米」の俳句例 (3件)

今年米食ふて寝るなり大の字に
小林一茶【現代語訳】今年獲れたばかりの初米を腹いっぱい食べて、満足して大の字になって寝転がるのだ。 【鑑賞】新米の美味しさと満腹の幸福感を、一茶らしいユーモアと率直さで表現した一句です。「大の字」という大らかな身体の仕草から、自然の恵みを心身丸ごと享受した喜びと安らぎが生き生きと伝わってきます。
今年米届くや母の文字清く
高浜虚子【現代語訳】故郷の母から今年の新米が届いた。包みに書かれた母の筆跡が清らかに澄んで見える。 【鑑賞】送られてきた新米の荷物に添えられた母の筆跡に目を留めた温かな句です。米の瑞々しさと母の凛とした気品が重なり合い、遠く離れて暮らす母子の絆や郷愁を静かに伝えています。
今年米とがんとすれば母恋し
鈴木真砂女【現代語訳】今年の新米を研ごうと水に手を入れると、ふと亡き母のことが恋しく思い出される。 【鑑賞】米を研ぐ日常の動作をきっかけに、ふとあふれ出た母への思慕を詠んでいます。新米の清らかな白さと冷たい水の手触りが、懐かしい母の面影や温もりを鮮やかに引き出しています。

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