俳句交流SNS「俳句びと」で、あなたの一句を投稿してみませんか?

無料登録
年末年始の俳句ガイド2026年10月25日

除夜の鐘・年越しの俳句|大晦日と年の暮を詠む季語と名句

はじめての俳句サポーター 凛

はじめての俳句サポーター 凛

執筆者

シェア:𝕏f
除夜の鐘・年越しの俳句|大晦日と年の暮を詠む季語と名句

大掃除を終えた部屋、年越し蕎麦の湯気、遠くから聞こえる除夜の鐘。年の終わりには、いつもの暮らしの中に、少ししみじみとした時間が生まれます。

俳句では、「年の暮」「大晦日」「除夜の鐘」は冬の季語です。この記事では、年越しに使いたい季語の意味と、芭蕉・一茶・虚子の名句、身近な出来事を一句にするコツをご紹介します。

この記事でわかること

  • 年末と新年では、俳句の季語がどう違う?
  • 「年の暮」「除夜の鐘」「数へ日」の使い分け
  • 出典を確認した年末の名句3句
  • 除夜・年越し蕎麦を題材にした作句例

年末は「冬」、元日からは「新年」の季語

俳句の歳時記は、春・夏・秋・冬の四季に加えて、「新年」を独立した部として扱うことがあります。十二月三十一日までの「行く年」「除夜」などは冬、元日以降の「初日」「初詣」「雑煮」などは新年の季語です。

12月31日まで

冬の季語

年の暮・行く年・大晦日・除夜の鐘・年越蕎麦

1月1日から

新年の季語

初日・初詣・雑煮・去年今年

「除夜の鐘」は、大晦日の夜から新年にかけて鳴らされることもあります。鐘が鳴り終わった瞬間で季節が切り替わるのではなく、句の中で何を中心に詠むかによって季語を選ぶと、自然にまとまります。

季語カード|新年

去年今年(こぞことし)

去ってゆく年と、迎えた年のつながりを、新年の感慨として詠む季語です。「去年今年」は大晦日だけの季語ではありません。

今すぐ一句詠んでみましょう

※俳句交流SNS「俳句びと」なら、詠んだ句をそのまま投稿して全国の仲間と共有できます

年の暮から除夜まで|使いやすい冬の季語一覧

年末の季語には、時間の流れを表すものと、大掃除や年越しの食卓など、暮らしの場面を表すものがあります。

一年の終わりを感じる季語

季語読み意味・場面
年の暮としのくれ年の終わりが近づいたころ
行く年ゆくとし過ぎてゆこうとする一年への感慨
数へ日かぞえび残りの日を指折り数えるような年末
年の瀬としのせ年末、とくに押し詰まったころ

新年を迎える支度の季語

季語読み意味・場面
煤払すすはらい一年の煤やほこりを払い清めること。現代の大掃除にも通じる
年の市としのいち正月用品などを売る、年末の市
年忘としわすれ一年の労をねぎらう集まり
年用意としようい新しい年を迎えるための準備
台所の流し台を背景に、緑色のかごに入った掃除用ブラシ、スポンジ、青と緑のクロス
掃除用のブラシやクロス。身近な年末の支度も、俳句の題材になります。

大晦日の夜を表す季語

季語読み意味・場面
大晦日おおみそか十二月三十一日、一年最後の日
除夜じょや大晦日の夜
除夜の鐘じょやのかね大晦日から新年にかけ、寺院でつく鐘
年越としこし旧年から新年を迎える、年の境目
年越蕎麦としこしそば大晦日に食べる蕎麦

季語カード|冬

除夜の鐘(じょやのかね)

寺院で大晦日の夜から元日にかけて鳴らす鐘。百八つの煩悩にちなみ、百八回つくという風習が広く知られています。

「年越蕎麦」は細く長い蕎麦にあやかり、長寿などを願う食習慣と結びついています。具材や食べ方は家庭や地域によってさまざまです。

黒いお盆に置かれた、海老の天ぷらと刻みねぎ、かまぼこをのせた蕎麦の丼
海老天そば。年越蕎麦を思わせる一杯は、年末の食卓を詠むヒントにもなります。

年の暮を詠んだ有名俳句3句|芭蕉・一茶・虚子

俳人たちは、年末の慌ただしさだけでなく、旅の途中の心持ちや、歳月の大きさも十七音に託しました。確認できた作品の表記と出典を添えてご紹介します。

確認済みの名句|季語:年の暮

年暮れぬ 笠きて草鞋 はきながら

松尾芭蕉

出典:『野ざらし紀行』(芭蕉翁顕彰会掲載句)

笠をかぶり、草鞋を履いた旅姿のまま、また一年が暮れてゆきます。旅の厳しさと、なお歩き続ける姿が重なる一句です。

確認済みの名句|季語:年の暮

ともかくも あなた任せの としの暮

小林一茶

出典:『おらが春』(一茶の俳句データベース掲載句)

一年の喜びも悲しみも抱えながら、最終的には仏に身を任せる心境が詠まれています。「あなた任せ」は、一茶の信仰と人生経験に支えられた言葉です。

確認済みの名句|季語:行く年

年を以て 巨人としたり 歩み去る

高浜虚子

出典:『五百句』(愛媛県立図書館の調査記録で確認)

去りゆく年を、一人の大きな巨人にたとえた句。姿の見えない「時」を、ゆっくり遠ざかる大きな人影として感じさせます。

あわせて読みたい|冬の有名な俳句7選

年末以外の冬の名句も、作者や季語とあわせて読めます。

記事を読む ›

除夜の鐘・年越しの俳句を作ってみよう

ここからは、俳句びと編集部による作例をご紹介します。実在の俳人が詠んだ句ではありません。

1.年越しの「音」を詠む

鐘の響き、蕎麦をすする音、遠くの人の声。静かな夜に耳を澄ませると、句の材料が見つかります。

編集部作例|季語:年越

年越の 蕎麦すする音 ばかりかな

俳句びと編集部(編集部作例)

五・七・五:としこしの(5)/そばすするおと(7)/ばかりかな(5)

年末の食卓で、蕎麦をすする音だけが聞こえる様子。言葉を交わさなくても、穏やかな時間が伝わります。

2.一年を映す「もの」を選ぶ

「今年はいろいろあった」とまとめる代わりに、柱の背丈の印や、使い込んだ道具など、一年の変化がわかるものを探してみましょう。

編集部作例|季語:行く年

行く年の 柱に残る 背丈かな

俳句びと編集部(編集部作例)

五・七・五:ゆくとしの(5)/はしらにのこる(7)/せたけかな(5)

柱に残る子どもや孫の背丈の印。少しずつ伸びた跡が、過ぎてゆく一年を感じさせます。

3.少しユーモラスな場面も俳句に

年末の俳句は、しんみりしたものばかりではありません。鐘を数えるつもりで眠ってしまう、そんな小さな出来事も句になります。

編集部作例|季語:除夜の鐘

除夜の鐘 数へ終はらぬ うちに寝る

俳句びと編集部(編集部作例)

五・七・五:じょやのかね(5)/かぞえおわらぬ(7)/うちにねる(5)

百八つの鐘を数えている途中で、つい眠ってしまう。年末の静けさに、親しみやすいおかしみを添えた作例です。

4.年末らしい小さな発見を詠む

片づけの途中で見つけた便りなど、身近なものにも一年を振り返るきっかけがあります。

編集部作例|季語:数へ日

数へ日や 棚の奥から 古い文

俳句びと編集部(編集部作例)

五・七・五:かぞえびや(5)/たなのおくから(7)/ふるいふみ(5)

年末の整理で、棚の奥から昔の手紙が出てきた場面。残り少ない日と、過ぎた時間が静かに重なります。

年越しの俳句を作る3つのコツ

① 季語を一つ、主役にする

「除夜の鐘」「年越」「年の暮」はどれも年末の季語です。初心者のうちは、一句に一つ選ぶと焦点が定まりやすくなります。

② 「気持ち」より「見たもの・聞いたもの」を

「寂しい年末」と書く代わりに、「片づいた部屋の時計の音」「蕎麦の湯気」などを置いてみましょう。景色を通して思いが伝わります。

③ 五・七・五は声に出して整える

音の数え方は、文字数とは違います。たとえば「除夜の鐘」は「じょ・や・の・か・ね」で五音。迷ったときは、575(五七五)の数え方を参考にしてください。

一句を作るミニ手順

  1. 「年の暮」「除夜」などから季語を一つ決める
  2. 目にした場面や聞こえた音を一つメモする
  3. 言葉を削り、五・七・五に整えてみる

除夜の鐘・年越しの俳句|よくある質問

Q.「除夜の鐘」は冬の季語ですか?

はい。大晦日の夜に鳴らす鐘を表す、冬の季語です。年明けまで鐘が続くこともありますが、伝統的な歳時記では年末の季語として扱います。

Q.除夜の鐘は、なぜ百八回つくのですか?

人間の煩悩を百八と数える考え方に結びついた習わしです。ただし、百八という数の由来には複数の説があり、実際の回数や方法は寺院によって異なる場合があります。

Q.「年の暮」と「年の瀬」の違いは?

どちらも年末を表す冬の季語です。「年の瀬」には、年が押し詰まって慌ただしくなる印象が、より強く感じられます。

Q.「数へ日」はいつごろ使う言葉ですか?

残りの日を指折り数えるほど少なくなった年末を指します。大晦日の数日前など、年の終わりが迫った実感を表したいときに使いやすい季語です。

Q.「去年今年」は冬の季語ではないのですか?

「去年今年(こぞことし)」は、新年の季語です。年の移り変わりを、年が明けた側から振り返る感慨を表します。

Q.除夜の鐘の句を年賀状に書いてもいいですか?

書いてはいけない決まりはありませんが、年賀状は新しい年を祝う便りなので、一般的には「初日」「初詣」など新年の季語を使うほうが自然です。年賀状に添える俳句も参考にしてください。

あわせて読みたい|年末年始の俳句ガイド

大晦日からお正月まで、季語や名句、年賀状に添える一句の楽しみ方をまとめています。

記事を読む ›

一年の終わりに、一句を

慌ただしい年の瀬にも、少し立ち止まってみると、句になる瞬間があります。時計の針、ふすまの向こうの物音、食卓に立つ湯気。すべてを詠み込もうとせず、心に残った一場面を選んでみましょう。

この一年を、自分の言葉で静かに締めくくる。そんな一句を、年の暮に残してみませんか。

年の瀬の一句を、俳句びとで。

身近な出来事を詠む楽しさを、俳句びとで始めてみませんか。

俳句びとで無料登録する ›

あなたも一句詠んでみませんか?

「俳句びと」は、俳句を愛する人々が集うSNSです。日々の感動を十七音に込めて、全国の仲間と共有しましょう。

会員登録は無料 / 50代〜80代の方に大人気

この記事が参考になったらシェア

シェア:𝕏f

関連記事

俳句交流SNS「俳句びと」

全国の愛好家と作品を共有しよう

ログイン