草の市
autumn 植物

草の市

くさのいち

俳句びと 公式スマートフォンSNS

あなたの句を、世界に届けよう

季語辞典で見つけた素敵な言葉を使って、今日の一句を詠んでみませんか?無料で投稿でき、他の愛好家と交流できます。

意味・由来

「草の市(くさのいち)」とは、お盆(盂蘭盆会)の前に、先祖を迎える盆棚(精霊棚)に飾るためのさまざまな盆用具を商う臨時の市場のことです。具体的には、蓮の葉、おがら(麻の茎)、真菰(まこも)で編んだござ、ほおずき、秋の草花などが露店に並びます。主に陰暦の7月12日・13日の夜(現在では新暦の8月12日・13日、あるいは7月中旬)に開かれ、別名「盆市(ぼんいち)」「魂祭市(たままつりいち)」とも呼ばれます。ご先祖様を温かく迎えるための準備に追われる人々の、生活感と信仰心が交錯する、初秋ならではの哀愁を帯びた風物詩です。

この季語で詠むコツ

草の市を詠む際は、お盆を控えた時期独特の「そわそわとした賑わい」と「亡き人を偲ぶ静かな切なさ」の対比を意識することがポイントです。市に並ぶ品物(蓮の葉のみずみずしさ、ほおずきの赤、ござの青草の香りなど)を具体的に描写して五感を刺激したり、夕暮れ時にぽつぽつと灯り始める「露店の灯火(ともしび)」に焦点を当てて情緒的に表現したりすると良いでしょう。ただの買い物風景にとどまらず、その背景にある先祖への祈りや、変わりゆく季節の気配を重ね合わせると深みが増します。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 色彩・光:灯(ともしび)、ともる、夕闇、ほおずきの赤、青真菰
  • 動作・感覚:手にとる、選ぶ、抱える、匂い、風の涼しさ
  • 背景・情景:露地(ろじ)、門前、下町、夕風、人ごみ

草の市」の俳句例 (3件)

草の市買はぬ蓮の葉手にとりて
水原秋桜子【現代語訳】草の市の店先で、買う予定のない蓮の葉をふと手にとってみる。そのみずみずしい緑と独特の感触に、お盆の近いことを実感しているのだ。 【鑑賞】盆棚に敷くための蓮の葉は、草の市の代表的な品物です。買う予定はないのについ触れてしまうという何気ない動作の中に、お盆という行事に対する作者の愛着や、先祖を想う心の機微が繊細に描き出されています。
草の市ともる灯に風たちにけり
久保田万太郎【現代語訳】草の市の店先にぽつぽつと灯りがともる頃、どこからともなく涼しい夕風が吹き抜けていったことだ。 【鑑賞】夕暮れの市の賑わいの中に、ふと訪れる秋の涼風を詠んだ句です。灯火のまたたきと肌に感じる風の動きが、お盆前の物寂しさと、季節が秋へと移り変わる切なさをいっそう引き立てています。
草の市いづこも同じ灯のともる
高浜虚子【現代語訳】お盆用の品を売る草の市があちこちに立っているが、夕暮れ時になると、どこの店も同じように切なく温かみのある明かりがともり始めることよ。 【鑑賞】草の市独特の夕暮れの風情を平易な言葉で見事に捉えた名句です。「いづこも同じ」という表現によって、特定の場所だけでなく、お盆を迎える日本各地の家々や市場に共通する、亡き人を静かに待つ優しい灯火の情景が広がりを持って伝わってきます。

みんなの「草の市」の詠み(人気順)

この季語を使った人気の投稿はまだありません。

みんなの「草の市」の詠み(新着)

この季語を使った「みんなの詠み」はまだありません。

あなたが最初の1句を詠んでみませんか?

関連する「」の季語