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藺の花は、畳表の原料として古くから親しまれているイグサ(藺草)に咲く花のことです。初夏から盛夏にかけて、すらりと直立した丸い茎(稈)の途中から横に突き出るようにして、淡い黄褐色や薄緑色の小花が集まって咲きます。花びらを持たない極めて地味な花ですが、水辺や藺田(いだ)一面に広がる青々とした草の海の中で、ひっそりと自然の息吹を伝えてくれる夏の季語です。
華やかさを競う花ではないため、その目立たなさや慎ましさ、静かな生命感をどう捉えるかが大切です。藺田を渡る風や水面のきらめき、湿地の匂いなど、周囲の環境や五感に訴えかける描写を添えると、花の素朴な佇まいが引き立ちます。また、人々の生活に身近な畳へと生まれ変わる草であることから、農作業の手触りや、どこか懐かしい日常の静けさと取り合わせるのも効果的です。
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