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薫衣香(くのえこう、または、くんえこう)とは、着物に焚き染めるお香、あるいは香を衣服に焚き込めることを指す夏の季語です。古く平安の昔から貴族たちに親しまれた雅やかな風習で、衣替えの時期や、汗ばむ季節に衣服の匂いを防ぎ、同時に防虫を兼ねて用いられました。沈香や白檀、丁子などを調合した奥深い香りは、夏の風にふわりと漂い、涼やかで上品な風情を醸し出します。
薫衣香を詠む際は、直接「よい香り」と表現するのではなく、香りが立ちのぼる情景や、身にまとったときの心の動きを描くのがコツです。例えば、袖を翻した瞬間のわずかな風、薄い夏の着物の透け感、あるいは夕暮れの涼しさとともに漂う香りの気配などに着目すると、嗅覚と視覚が響き合う奥行きのある一句になります。
・夏衣(なつごろも)、単衣(ひとえ)、薄物(うすもの) ・風、袖、袂(たもと)、文(ふみ)、夕暮れ ・畳、簾(すだれ)、微風(そよかぜ)
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