烏賊洗い

烏賊洗い

いかあらい

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意味・由来

「烏賊洗い(いかあらい)」は、秋に獲れた新鮮なイカを捌いて細切りにし、冷水や氷水にさらして身を引き締める料理の手法、または水揚げしたイカを浜辺や井戸端の水で手早く洗う作業を指す秋の季語です。水にくぐらせることでイカの身は白く透き通り、キュッと縮んで独特の歯ごたえが生まれます。秋の澄んだ空気や冷たくなり始めた水、漁村や台所の生き生きとした情景を想起させる生活感と季節感に富んだ季語です。

この季語で詠むコツ

烏賊の「白さ・透明感」と、水や氷の「きらめき・冷涼感」を視覚や触覚を通して鮮やかに描き出すのが基本です。また、作業をする手元の動きや、水音・潮騒といった聴覚的要素、さらには秋の夕暮れや月光といった時間帯の情景を取り合わせることで、しっとりとした情緒や旅情を演出することができます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 視覚・色彩:透きとほる、白き身、月影、夕日影、刃先
  • 触覚・動作:冷たし、縮む、指先、手もと、掬ふ
  • 聴覚・背景:波音、潮騒、井戸端、夜風、灯火

烏賊洗い」の俳句例 (3件)

烏賊洗ふ波のまにまに月いでて
前田普羅【現代語訳】烏賊を波打ち際で洗っていると、寄せては返す波の合間から美しい秋の月が昇ってきた。【鑑賞】浜辺で烏賊を洗う作業の手元と、海原を照らし始める月光との対比が見事な名句です。秋の海の静けさと雄大さが、烏賊洗いの日常的な営みを通して詩情豊かに描き出されています。
烏賊洗ふ水に月影さしそめし
高浜年尾【現代語訳】烏賊を洗っている水の中に、昇ってきた月の光がさし込んできた。【鑑賞】烏賊を洗う鉢や盥の水に、静かに月が映り込む瞬間を捉えています。水の手触りの冷たさと月影の冴えた光が溶け合い、秋の夜の深まりと清冽な空気を美しく表現しています。
烏賊洗ふ女の胸の豊かなり
日野草城【現代語訳】烏賊を洗っている女性の胸元が、前かがみになった姿勢で豊かにふくらんでいる。【鑑賞】水仕事に打ち込む女性の健康的な肉体美と生命感を素直に捉えた句です。烏賊の白さや瑞々しさと、女性の豊かな身体性が重なり合い、艶やかで明るい生活感が漂います。

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