高梁
autumn 生活

高梁

こうりゃん

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意味・由来

「高梁(こうりゃん)」は、イネ科の一年草である「モロコシ(蜀黍)」の中国名、あるいは中国東北部(旧満州など)で広く栽培される品種を指す仲秋の季語です。人の背丈をはるかに超え、高さ3〜4メートル近くまで成長します。秋になると茎の頂に大きな赤褐色の実(穂)をたわわにつけ、果てしない大地一面に高梁畑が広がる光景は大陸の秋の象徴です。近代俳句では、満州の広大な風土や夕暮れ、旅情、また歴史的な開拓や戦争の記憶と深く結びついて詠まれてきました。

この季語で詠むコツ

高梁の最大の魅力は、その「圧倒的なスケール感」と「独特の色彩・陰影」にあります。人の背丈を隠してしまうほどの鬱蒼とした茂み、風に擦れ合う乾いた葉の音、そして夕日に照らされて赤褐色に染まる穂波など、五感を意識して描写すると大陸的な情感が際立ちます。日常の小さな情景というよりは、広大な空間の広がりや、夕暮れの寂寥感、旅人の孤独といった情感と重ね合わせると季語の持つ重みが引き立ちます。

相性のいい言葉・取り合わせ

・色彩・光:夕日、落日、くれなゐ(紅)、赤褐色、茜空、影 ・空間・風景:地平線、満洲野、大空、荒野、一本道、汽車 ・動詞・状態:没る(入る)、波打つ、擦れ合う、渡る、暮れゆく

高梁」の俳句例 (3件)

高粱に日の没る速さ満洲野
山口誓子【現代語訳】見渡す限りの高梁畑に夕日が沈んでいくが、その速さには驚くばかりだ。この広漠とした満洲の大野原では。 【鑑賞】大陸の地平線に巨大な夕日がみるみるうちに沈んでいく情景を、鋭い観察眼とリズムでダイナミックに捉えた代表句です。人の背丈を超える高梁の群れと、遮るもののない大平原の雄大さ、そして瞬く間に夜へと向かう寂寥感が鮮やかに描かれています。
高粱の穂のくれなゐに日は落ちぬ
高浜虚子【現代語訳】赤く熟した高梁の穂が広がる彼方へと、夕日がゆっくりと沈んでいった。 【鑑賞】高梁の穂が帯びる赤褐色と、沈みゆく夕日の紅が重なり合う色彩美を客観写生で詠んだ一句です。余計な感傷を交えず、ただ夕暮れの大地に広がる色彩の移ろいを静かに見つめることで、雄大な自然の営みと秋の暮れの情感を深みのあるものにしています。
高粱を抜け出でて乗る小舟かな
阿波野青畝【現代語訳】背の高い高梁の茂みを通り抜けて、岸辺につながれた小舟へと乗り込んだことだ。 【鑑賞】人の視界を遮る高梁の鬱蒼とした茂みから、ふっと視界が開けて水辺に出た瞬間の開放感と動きの対比が鮮やかです。大陸の水運や人々の素朴な生活の息遣いが、小舟という具体的な小道具を通して巧みに表現されています。

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