俳

1884年 - 1954年

前田普羅

まえだふら

生涯・略歴

東京生まれ。早稲田大学英文科中退。報知新聞社の記者を経て、高浜虚子に師事し「ホトトギス」に投句。「辛夷」を主宰した。大正初期の「ホトトギス」代表作家の一人。関東大震災後に富山県へ転居し、立山連峰をはじめとする雄大な自然に感銘を受け、山岳を詠んだ優れた句を多く残した。

代表句 (20件)

夏草を搏ちては消ゆる嵐哉
青梅も拾はで雨の板戸かな
夜長人耶蘇をけなして帰りけり
秋の日や食籠を見る暗き棚
山人のくしやみやとゞく秋の雲
葛籠なる小袖思ふや野分の夜
秋の雨盲めざめて居たりけり
秋出水乾かんとして花赤し
秋出水濁して渉る壮夫かな
太鼓懸くれば秋燕軒にあらざりき
桔梗や一群過ぎし手長蝦
一しきり木の実落ちたる夕日哉
葛の葉や飜るとき音もなし
赤々と酒場ぬらるゝ師走かな
山辺より灯しそめて冴ゆるかな
争に勝ちし寒さや家にあり
鷹とんで冬日あまねし龍ヶ嶽
農具市深雪を踏みて固めけり
海老汲むと日々に歩きぬ枯野人
鐘なる間庭をありくや降誕祭