秀吉忌

秀吉忌

ひでよしき

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意味・由来\n「秀吉忌(ひでよしき)」は、天下統一を果たした太閤・豊臣秀吉の命日である陰暦8月18日(新暦1598年9月18日)を偲ぶ秋の季語です。別名「太閤忌(たいこうき)」とも呼ばれます。\n尾張の農民出身から天下人へとのぼりつめ、豪華絢爛な桃山文化を築いた秀吉ですが、その辞世「露と落ち露と消えにし我が身かな浪速のことも夢のまた夢」にも表れているように、栄華を極めた生涯の幕引きには深い無常感が漂います。この栄耀栄華と夢の儚さの対比が、澄みゆく秋の気配や寂寥感と深く重なり合い、季語として豊かな陰影を持っています。\n\n### この季語で詠むコツ\n秀吉の豪快な武功や絢爛さをそのまま詠むよりも、かつての栄華の「跡」や「夢の跡」を秋の情景と重ね合わせるのがポイントです。現代の大坂城(大阪城)や伏見の城跡、京都の阿弥陀ヶ峰・豊国神社など、ゆかりの史跡を訪ねて巨石や瓦の風化に目を向けると実感がこもります。また、金箔や瓢箪(ひょうたん)、千成桐といった秀吉を象徴する華やかなモチーフと、秋風や露、傾く夕日などの寂びた景物を対比させることで、歴史の無常と秋の情緒を際立たせることができます。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n- 史跡・建築:大坂城、聚楽第、伏見舟、石垣、天守閣、古瓦\n- 象徴・遺品:桐の紋(五七の桐)、金箔、瓢箪、千成、名物茶器\n- 秋の季語・景物:秋風、秋晴、水の秋、夕日、露、草紅葉

秀吉忌」の俳句例 (3件)

秀吉忌五七桐の瓦かな
長谷川零余子【現代語訳】秀吉忌の今日、見上げれば古瓦に太閤ゆかりの五七の桐の家紋が残されていることよ。\n【鑑賞】豊臣家の象徴である「五七の桐」が刻まれた瓦に焦点を絞ることで、かつて天下を誇った栄華の面影と、それが今や一枚の瓦として秋の光に晒されている無常感とを鮮やかに描いています。簡潔ながら歴史の重みと秀吉忌の哀愁が凝縮された一句です。
太閤忌金箔のこる瓦かな
阿波野青畝【現代語訳】太閤忌を迎えた今日、掘り出された古瓦の隅に、わずかに当時の金箔が残っていることだなあ。\n【鑑賞】秀吉の好んだ絢爛豪華な「黄金」の文化を、わずかに残る金箔という微小な物質に留めて捉えています。まばゆいばかりの黄金の城も夢幻と消え、秋の寂けさの中に残る小さな煌めきが、かえって時の流れの無情と哀感を強く訴えかけます。
太閤忌日覆を捲く伏見舟
飯田蛇笏【現代語訳】太閤秀吉の忌日、伏見の川を行く高瀬舟が日除けの覆いを巻き上げている。\n【鑑賞】秀吉が晩年を過ごし巨城を築いた城下町・伏見を舞台にした句です。日覆いを巻き上げる日常の何気ない動作を通じて、秋風が川面を渡り始めた季節の推移を捉えています。秀吉という巨大な歴史の影を川の静けさと舟の動きに忍ばせた、蛇笏らしい格調高い名句です。

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