敗戦の日

敗戦の日

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意味・由来

「敗戦の日」は、1945年(昭和20年)8月15日に日本が無条件降伏を受け入れ、太平洋戦争(第二次世界大戦)が終結した日を指す季語です。「終戦記念日」「終戦日」「敗戦忌」なども同じ意味で用いられます。暦の上では立秋(8月8日頃)を過ぎているため、秋(初秋)の季語に分類されます。歴史的な激動と悲哀、そして平和への祈りが刻まれた重みのある季語であり、単なる日付にとどまらず、人々の記憶や時代の転換点そのものを象徴しています。

この季語で詠むコツ

思想や理念を直接言葉にするのではなく、当時の記憶や今ある日常の具象物に託して詠むのが効果的です。たとえば、強烈な真夏の余韻を残す太陽、真っ青な夏空、激しく鳴く蝉の声、あるいは静かに佇む家族の姿など、五感で捉えられる光景と組み合わせることで、言葉の裏にある感情や哀歓が深く伝わります。大げさな表現を避け、淡々とした叙述の中に祈りや痛みを忍ばせるのが心に響かせるポイントです。

相性のいい言葉・取り合わせ

・視覚:青空、入道雲、日ざし、緑、白(白絣、白シャツなど清潔感や無垢さを表す色) ・聴覚:蝉時雨、無言、サイレン、風の音 ・感情・情景:静寂、祈り、老い、記憶、影

敗戦の日」の俳句例 (3件)

敗戦忌黒髪あつく束ねをり
桂信子【現代語訳】敗戦の日を迎え、やり場のない思いを抱えながら、熱気配の残る黒髪をぎゅっと束ねている。【鑑賞】女性俳人・桂信子の代表作の一つです。あの日への思いや女性としての生の厚みを、首筋に触れる「黒髪のあつさ」という身体的な感触に凝縮して表現しています。感情を叫ぶのではなく、髪を束ねる日常の所作に潜む祈りと哀しみが鮮烈です。
敗戦の日の太陽をまともに見つ
野見山朱鳥【現代語訳】敗戦を迎えたその日、空に輝く太陽を逃げることなく真正面からじっと見つめた。【鑑賞】8月15日の正午、玉音放送を聴いた直後の日本人の虚脱と衝撃を、天に照りつける太陽を直視する行為によって表現した名句です。目を逸らさずに現実を受け止めようとする意志と、茫然自失とした静けさが太陽の眩しさと共に焼き付けられています。
敗戦忌白絣著てゐたり
三橋敏雄【現代語訳】敗戦の日を迎え、自分は涼しげな白絣の着物をまとって静かに過ごしている。【鑑賞】戦時下の緊迫と混乱をくぐり抜け、敗戦から歳月が流れた平和な日常の中で詠まれた句です。白絣という清潔で日本的な衣服を身にまといながら、心の内では消えることのないあの日の記憶を静かに噛みしめている対比が深い余韻を呼びます。

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