月を待つ

月を待つ

つきをまつ

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意味・由来

「月を待つ(つきをまつ)」は、秋の夜に月が東の空から昇ってくるのを今か今かと待ちわびる心情や、その宵のひとときを指す季語です。傍題には「月待(つきまち)」や「待つ月」などがあります。古くは特定の月齢の夜に人々が集い、祈りを捧げながら月の出を待った信仰行事(二十三夜待ちなど)に由来する面もありますが、俳諧においては中秋の名月をはじめとする秋の清らかな月を心待ちにする、風流な風情として広く親しまれてきました。月そのものを愛でるだけでなく、姿を現す直前の期待感に満ちた時間を味わう日本特有の美意識が込められています。

この季語で詠むコツ

最大のポイントは、「まだ空に月が出ていない」状態を描くことです。月そのものの輝きを直接詠むのではなく、刻一刻と暮れていく宵の空、だんだんと色濃くなる闇、涼やかな秋風、草むらから響く虫の声など、周囲の情景を丁寧に捉えましょう。また、縁側に腰掛けたり盃を傾けたりしながら東の空を見上げる人物の動作や息づかいを組み合わせると、待つ時間の長さや静けさ、高まる期待感が効果的に表現できます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 自然・空の様子:東の空、山の端(やまのは)、夕茜、宵闇、青き影、潮の満ち引き
  • 聴覚・触覚:虫の音、秋風、冷気、静寂、松風
  • 生活・動作:縁側、盃、障子、灯火、語らい、佇む

「月を待つ」の俳句例 (3件)

月を待つ人皆ゆるく歩きをり
草庵をめぐる径や月を待つ
松本たかし『松本たかし句集』(青空文庫)
草の戸に居ながらにして月を待つ
高浜虚子『七百五十句』(青空文庫)

みんなの「月を待つ」の詠み

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