部領使
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部領使

ことりづかい

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意味・由来

「部領使(ことりづかい)」とは、古代から中世にかけて、地方からの貢納物(調物や鷹など)や、兵士(防人など)を領率して都へと送る任を負った使者のことです。「部を領(ひき)いる使」という意味からこの名があります。特に秋は実りの季節であり、貢納の旅が本格化する時期であることから、秋の季語となりました。都へと向かう旅の厳粛さと、秋のうら寂しい景観が重なり合う、歴史的な情緒を湛えた言葉です。

この季語で詠むコツ

現代の実生活では直接目にすることのない言葉であるため、歴史の面影を残す古い街道や宿場町、あるいは荒涼とした秋の自然を詠む際に、象徴的な存在として取り合わせるのが効果的です。直接「部領使」の姿を想像して詠むだけでなく、彼らが通ったであろう古道を歩む現代の自分の旅情や、秋の風がもたらす一抹の寂しさを重ね合わせることで、時空を超えた深みのある俳句に仕上がります。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 旅や往来を表す言葉(街道、関所、馬、古道、道連れ)
  • 秋の気配を感じさせる言葉(秋風、野分、落葉、夕日、ひややか)
  • 歴史や静寂を思わせる言葉(跡、影、いにしえ、寂び、静けさ)

部領使」の俳句例 (3件)

部領使の馬にも逢はぬ木曾路かな
野水【現代語訳】部領使が引く立派な馬にさえ行き遭うことのない、ひっそりとして物寂しい秋の木曽路であることよ。【鑑賞】木曽路は本来、貢物や馬を引く部領使が往来する主要な街道ですが、今はその影すらなく静まり返っています。秋の旅路の孤独感と荒涼とした山道の風景が、「部領使」という歴史的な言葉の響きによって、より一層深く表現されています。
部領使や何をもて行く秋の風
森川許六【現代語訳】部領使の一行は、このもの寂しい秋風の中、いったい何を持って都へと旅していくのだろうか。【鑑賞】重々しい任務を帯びて進む部領使が、冷涼な秋風に吹かれながら進む姿を活写しています。「何を持っていくのか」という問いかけが、旅の目的への好奇心と同時に、秋の風の寂しさと旅路の厳しさを際立たせています。
部領使のあとに立ちたる野分かな
服部嵐雪【現代語訳】部領使の一行が通り過ぎて行ったその跡に、激しい野分(台風)が吹き荒れていることよ。【鑑賞】厳かな雰囲気で粛々と進む部領使の行列と、その後を追うように激しく吹き荒れる大自然の脅威(野分)の対比が鮮やかです。歴史的な厳粛さと、ダイナミックな秋の気象が見事に調和した動的な一句です。

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