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「茹菱(ゆでびし)」は、池や沼などの水面に群生する水草「菱(ひし)」の硬い実を、塩水などで茹で上げたものです。秋になると菱は両端にとがった角を持つ独特な実を結びます。その硬い殻を割って茹でた中身は、栗のようにほくほくとしてほんのり甘く、水郷地帯の秋を代表する素朴で野趣あふれる味覚として古くから親しまれてきました。旅の情趣や、どこか懐かしい郷土の温もりを感じさせる季語です。
茹菱の魅力は、その特異な角のある形と、食べる際の五感の喜びにあります。黒く硬い殻を指先や歯で割る感触、立ち上る湯気、栗に似た口当たりの良さなどを具体的に描くと、暮らしの温かみが生き生きと伝わります。また、水辺の風景や旅先での出会い、秋の夜長の酒の肴やお茶請けとしての親しみやすさを詠み込むのもおすすめです。形や味を説明しすぎず、手にする人の仕草や家族の団らんに焦点を当てると情緒ある一句になります。
・熱し、湯気、指先、殻を割る(無季・動作や状態の言葉) ・水郷、渡し舟、素焼きの皿、古里(無季・情景の言葉) ・夜長、秋灯、秋深し、新酒(秋の季語)
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ホストの朝や
秋愁
手のひらの
抜糸済みたる
秋の底
赤染まる
瀬戸の灯台
秋愁
水澄みて
小鴨は群れて
逆立ちぬ
下手を詠み
秋の愁いも
味とせる
胡桃色
秋に映えたる
独特さ