辻祭

辻祭

つじまつり

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意味・由来

「辻祭(つじまつり)」とは、旧暦七月二十四日の地蔵盆のころ、町筋や村の辻(交差点や道ばた)に祀られている辻地蔵や道祖神を供養し祝う祭礼のことです。特に関西地方を中心に親しまれ、辻ごとに佇むお地蔵様の祠を提灯や紅白の幕、色鮮やかな前垂れで飾り付け、子どもたちがお参りをしてお菓子をもらったり数珠回しをしたりします。夕暮れとともに街角に温かな灯りがともり、普段の生活空間が幻想的かつ賑やかな祈りの場へと変わる、初秋の情情緒あふれる季語です。

この季語で詠むコツ

辻祭は、壮大な大祭とは異なり、日々の暮らしに密着したささやかで温かい信仰の行事です。そのため、辻を照らす提灯の明かり、新調された赤い前垂れ、集まる子どもたちの無邪気な笑い声など、親しみやすい情景を切り取るのが効果的です。また、夏の賑やかさが去り、涼風が吹き抜ける秋の宵という季節感を意識することで、祭りの温もりと季節の移ろいがもたらす微かな哀愁とを美しく響き合わせることができます。

相性のいい言葉・取り合わせ

・提灯(ちょうちん)、灯(ひ)、赤前垂(あかまえだれ) ・路地(ろじ)、辻(つじ)、町角(まちかど)、夕暮(ゆうぐれ) ・子等の声(こらのこえ)、菓子(かし)、数珠(じゅず) ・秋風(あきかぜ)、宵闇(よいやみ)、人影(ひとかげ)

辻祭」の俳句例 (3件)

辻祭提灯ともる辻ごとに
長谷川零余子【現代語訳】辻祭の夜、道が交差する辻ごとに提灯が赤々と灯っていることだ。 【鑑賞】町中のあちこちにある辻地蔵の祠に、それぞれ提灯が灯されている光景をシンプルかつ的確に捉えた句です。「辻」の語を重ねることで、町角から町角へと連なる提灯の温かい光のリズムと、地域全体がお地蔵様への感謝に包まれている素朴な賑わいが生き生きと伝わってきます。
辻祭辻をうづめて人通り
高浜虚子【現代語訳】辻祭が開かれ、普段は静かな街角を埋め尽くすように大勢の人が行き交っている。 【鑑賞】生活道路である「辻」が、この日ばかりは祭礼に集う人々でいっぱいになっている様子を素直に写生しています。子どもたちや近所の人々が楽しげに集まり、ごった返す路地の熱気と親密な空気が、簡潔な言葉の中に鮮明に描き出されています。
辻祭月出づるころとなりにけり
前田普羅【現代語訳】辻祭の提灯の灯る町に、ちょうど東の空から秋の月が昇ってくる時間となった。 【鑑賞】夕暮れ時の祭りの灯りと、空に昇り始めた清らかな秋の月との取り合わせが美しい句です。地上のささやかな祠の明かりと、天上の幽玄な月光とが響き合い、辻祭の賑わいの中にふと訪れる秋の静けさと厳かな趣を漂わせています。

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