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「砥草(とくさ)」はトクサ科のシダ植物で、日陰や湿地を好んで自生するほか、観賞用として庭園や坪庭にもよく植えられます。茎に珪酸(けいさん)を多く含み、ざらざらとした手触りがあることから、乾燥させて木製品や漆器、骨などを磨く「砥(と)ぐ草」として用いられたのが名前の由来です。年中緑を保つ常緑植物ですが、秋に茎の先端にスギナの胞子穂(ツクシに似た穂)を出し、茎が固く引き締まることや、秋の庭に刈り整えられる風情が澄んだ空気に際立つことから、古くより秋の季語とされています。
砥草は、葉がなく節を持った緑色の茎がすっきりと直立する、直線的で幾何学的な立ち姿が大きな特徴です。その無駄のないシンプルな造形から、華やかさよりも「侘び寂び」や静寂、清潔感、凛とした気配を表現するのに適しています。秋の冷え込む空気や陰影、庭石や手水鉢との取り合わせ、あるいは物を磨く道具としての本来の用途に焦点を当てて、硬質で涼やかな視覚や触覚を詠み込むと効果的です。
・素材・道具:鎌(かま)、指、砥石、刃物、木工 ・情景・場所:坪庭、庭石、蹲(つくばい)、寺院、露地 ・感覚・状態:直立、節(ふし)、青々、青冴ゆる、澄む、さやけし
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