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「草虱(くさじらみ)」とは、秋の野山を歩く際に、衣服や靴下、あるいは動物の毛などにいつの間にか付着する、粘着性や棘を持った植物の種子(実)の総称です。代表的な植物には、ノブキやセンダングサ、アレチヌスビトハギなどがあります。衣服にびっしりと取り付く様子が、まるで昆虫のシラミのように見えることからこの名がつきました。現代では「ひっつき虫」や「どろぼう」などの愛称でも親しまれており、秋の野歩きにおけるユーモラスで少し厄介な風物詩となっています。
草虱を詠む際は、その「取り除くのが面倒だが、どこか憎めない」という日常的な滑稽さや、野山を歩いたという実感を活写するのがポイントです。単に「衣服についた」という事実だけでなく、それを指先で一つ一つむしり取る手元の動作や、その時にふと感じる寂しさ、あるいは旅の情緒など、心理的な動きや具体的な状況と結びつけることで、俳句に深い陰影を与えることができます。
草虱は極めて日常的で身近な素材であるため、生活感のある言葉や具体的な身体の部位、動作を示す言葉とよく調和します。例えば、「裾(すそ)」「袂(たもと)」「靴下」「指先」といった衣服・身体に関する名詞や、「払う」「むしる」「取る」「溢れる」といった動詞が相性抜群です。また、「一人」「旅路」「野道」「日暮れ」などの孤独感や旅情を醸し出す言葉と取り合わせることで、ペーソス(哀愁)のある魅力的な句になります。
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