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「夕月夜(ゆうづきよ・ゆうづくよ)」は、夕方のまだ明るさが残る空に月が出ている情景、あるいはその月そのものを指す秋の季語です。主に新月から満月へと向かう上弦の月(三日月や半月)が、日没前後の西や南の空に白く浮かび上がる風情を言います。古くは『万葉集』の時代から親しまれてきた言葉であり、昼から夜へと移り変わる逢魔が時の美しさと、秋特有の澄んだ大気が醸し出す哀愁が込められています。
夕暮れの淡い光と、刻一刻と表情を変える空の色の移ろいを捉えることが大きなポイントです。夕餉の支度の匂い、帰り道を急ぐ人々の足音、遠くの山並みの影など、日常のふとした生活感や静けさと響き合わせると、夕月夜の柔らかな光が際立ちます。月そのものの美しさを形容詞で飾るのではなく、周囲の暗がりや街灯の灯り始めなど、周囲の変化を描くことで空の月を照らし出すように詠んでみましょう。
秋の言葉や、季節に左右されない身近な言葉との相性が抜群です。 ・秋の言葉:虫の声、秋風、赤とんぼ、稲田、芒(すすき) ・季節を問わない言葉:家路、影法師、川波、窓明かり、坂道、鐘の音