鹿谷祭

鹿谷祭

ししがたにまつり

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意味・由来

「鹿谷祭(ししがたにまつり)」は、京都・東山の麓に位置する鹿ヶ谷(ししがたに)の地で行われる祭礼を指す秋の季語です。特に鹿ヶ谷の安楽寺で毎年行われる「鹿ヶ谷かぼちゃ供養」(中風除けを願って鹿ヶ谷かぼちゃが振る舞われる伝統行事)や、地域の鎮守である大豊神社の祭礼などと深く結びついて親しまれてきました。平家物語の「鹿ヶ谷の陰謀」の舞台としても知られる歴史深い山懐の地で、秋の訪れとともに素朴な信仰と地域の賑わいが重なり合う、京都ならではの風情あふれる季語です。

この季語で詠むコツ

鹿ヶ谷特有の「東山の山裾の静けさ」と「祭りの素朴な活気」のコントラストを捉えるのがポイントです。瓢箪(ひょうたん)形をした鹿ヶ谷かぼちゃのユーモラスな形や煮炊きの湯気、寺社へと続く苔むした石段や山道の木漏れ日、初秋の澄んだ空気などを取り入れると、京都の季節感が際立ちます。華やかな祇園祭とは一味異なる、静謐で土の匂いのする落ち着いた情景を描き出してみましょう。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 風物・寺社南瓜(かぼちゃ)、湯気、石段、古寺、厨(くりや)、門前、鐘の音
  • 自然・地理:東山、山影、木漏れ日、青空、夕風、苔、山懐(やまふところ)
  • 心情・状態:晴れわたる、静もる、惜しむ、香る、賑わふ

鹿谷祭」の俳句例 (3件)

鹿谷祭厨に赤き火を焚けり
長谷川零余子【現代語訳】鹿谷祭の当日、寺の台所では赤々と勢いよく火が焚かれている。【鑑賞】祭りで振る舞う名物の鹿ヶ谷かぼちゃを大鍋で煮炊きしている様子を詠んだ一句です。「赤き火」という色彩の強調が、山裾の涼しい秋気の中に温かな活気と信仰の温もりを感じさせます。
鹿谷祭山ふところに晴れわたり
鈴鹿野風呂【現代語訳】鹿谷祭を迎えた鹿ヶ谷の山懐は、心地よく晴れ渡っている。【鑑賞】京都俳壇の重鎮・鈴鹿野風呂による、土地の地形と気候の爽やかさを端正に描いた句です。「山ふところ」という言葉によって、山に抱かれた静かで豊かな祭の風情が見事に表現されています。
鹿谷祭けふの青空惜みけり
森澄雄【現代語訳】鹿谷祭の日、どこまでも澄み渡る今日の美しい青空が暮れていくのを惜しむことだ。【鑑賞】初秋の東山に広がる清々しい秋晴れと、祭の終わりの名残惜しさを繊細に捉えています。京都の澄んだ大気と、季節の移ろいに対する作者の深い愛着が伝わってきます。

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